「BAD HOPの頭脳」として川崎区池上町から日本語ラップシーンを塗り替えた男、YZERR(ワイザー)。 2024年2月の東京ドーム解散公演以降、ソロアーティストとして精力的に作品を発表し続けている。
この記事では当ブログで解説してきたYZERRの楽曲をソロ・客演・コラボ別に整理してまとめた。 BAD HOP解散後のソロキャリアを追いたい人はぜひこの記事を入り口にしてほしい。
- YZERRとは何者か
- 【ソロアルバム①】『Dark Hero』(2025年2月12日)
- 【シングル】『Dark Hero』前後の重要曲
- 【ソロアルバム②】『Rich or Die 3』(2026年)
- 【客演・コラボ】YZERRが参加した楽曲
- 「SELF MADE 2 feat. YZERR」/ KOWICHI(2020年12月・ZOT on the WAVEプロデュース)
- 「Gila Gila feat. JP THE WAVY & YZERR」/ Awich(Prod by CHAKI ZULU)
- 「Higher Remix」/ ¥ellow Bucks feat. YZERR, Tiji Jojo, eyden, Bonbero, SEEDA(2023年10月20日)
- 「START IT AGAIN REMIX feat. YZERR」/ AK-69(2025年5月16日)
- 「They Love Me feat. YZERR」/ Sadboy Loko(2025年6月20日・Make It Out Records)
- YZERRのソロディスコグラフィー一覧
- まとめ:BAD HOP解散後のYZERRはさらに進化している
YZERRとは何者か
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本名 | 岩瀬雄哉 |
| 生年月日 | 1995年11月3日 |
| 出身 | 神奈川県川崎市川崎区池上町 |
| 双子の兄 | T-Pablow |
| グループ | BAD HOP(2014〜2024年・東京ドーム解散) |
| 役割 | フロントマン・楽曲統括プロデューサー |
父はギャンブル中毒でホームレス、母は一家心中を図ったこともある——壮絶な幼少期を祖母に育てられて生き抜いた。 14歳で逮捕・少年院入所。その間も双子の兄T-Pablowと手紙でリリックを交換し続けた。 BAD HOPとして武道館・横浜アリーナ・東京ドームを制し、現在はソロアーティスト兼起業家として活動中。
【ソロアルバム①】『Dark Hero』(2025年2月12日)
BAD HOP解散後にリリースされたYZERR初のソロフルアルバム。 コンセプトは「ラッパーと起業家という二つの顔を持つ自身をダークヒーローに見立てる」こと。 シカゴドリルの流れをくむダークなムードが全編を覆い、BAD HOP時代とは異なるYZERRの孤独な表現者としての顔を見せた。 リリース直後にiTunes・Apple Music・LINE MUSICの総合アルバムランキングで日本1位を獲得。
収録曲(全13曲): Dead Heat / Dark Hero / カリスマ feat. LEX & Awich / Uh huh feat. eyden / 5 STAR / Champain / Miss Luxury feat. LANA, JP THE WAVY & ¥ellow Bucks / Run / もう一本 / 勝新太郎 / 上品な下品 / Million Road / South Side
「Miss Luxury」feat. LANA, JP THE WAVY & ¥ellow Bucks(Dark Hero track 7)
DJ PMXの名曲「Miss Luxury」(『THE ORIGINAL』収録)をYZERRがカバーした楽曲。 LANA、JP THE WAVY、¥ellow Bucksという豪華客演陣が加わり、横浜・川崎シーンへの深いリスペクトを込めた仕上がりに。 Apple Music週間ソングランキング日本8位(2025年2月17日〜23日)を記録。 KアリーナでのYZERRソロライブでも、「横浜でのライブなのでやるつもりなかったけどこの曲やります」と特別に披露された、横浜への愛着が詰まった一曲。
「South Side」(Dark Hero track 13・先行シングル)
川崎のSouth Side(南側)から這い上がってきたYZERRの不屈の宣言。 Dark Heroの先行シングルとしてリリースされ、Billboard Japan Heatseekers Songsで初登場11位→その後トップ10入りを果たした。 「Million Road」と並び、「川崎サウスサイドから止まることなく勝ち上がる決意」を体現するアルバムの核心曲。 KアリーナライブではラストにSouth Sideを披露し、フックでは会場が「South Side」の大合唱で幕を閉じた。
「何回も」(Dark Hero収録)
「何回も」という言葉に込められたのは、何度失敗しても立ち上がるという人生哲学。 BAD HOP解散という大きな転換点を経て、一人の表現者として再起するYZERRの自己省察が詰まった一曲。
【シングル】『Dark Hero』前後の重要曲
「guidance」(2024年1月29日・BAD HOP THE FINAL Edition track 31収録)
舐達麻の「FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD」とジャパニーズマゲニーズの「I guess I’m beefin’」に対するアンサーソング。 「曲でのビーフに興味がない」と公言していたYZERRが、ファンの声に応えて制作した日本語ラップ史に残る大曲。 ブーンバップのビートを採用し、オートチューンをほぼ使わないフロウで5分強にわたって語り続ける。 OZROSAURUSの「Players’ Player feat. KREVA」へのリスペクトや、ヒップホップカルチャーを生んだアフリカ系の人々の歴史への言及など、文化的な深みも持つ。 「ワンバース3人を殺す/パンチラインはまるでadidas」——adidasのスリーストライプ(三本線)と「3人を殺す」がかかった言葉遊びはYZERRのリリックセンスを象徴している。
【ソロアルバム②】『Rich or Die 3』(2026年)
YZERR単独名義の2枚目のオリジナルアルバム。全14曲。 Dark Heroのダークなムードから一転、フロリダ・マイアミのエネルギーを取り込んだ派手で高揚感あるサウンドが特徴。 TRILL DYNASTYやSynco、MADEBYINCOMPLETEら多彩なプロデューサー陣が参加。 リリース後、iTunes Hip-Hop/Rapトップソング日本TOP40入りを記録。
収録曲(全14曲): THE FORCE / Blood Sweat Tears / MONEY RAIN feat. YTG / 100 Bottles feat. Candee & Carz / Fukashi / Too Many feat. Deech / ’95 Flow / SKYAMI / Role Model / IT’S OK / F.A.M.E feat. Rashel / Bakabakashii / Promise / Flawless
「’95flow」(Rich or Die 3 track 7)
プロデュースは茨城出身のTRILL DYNASTY。川崎が生んだ魂の告白。 「地元の奴 何人したSuicide / いまだに過去の痛み蘇る / 成功しても傷は癒やされない」——このリリックの重みはYZERRの人生を知ってこそ理解できる。 「辛い日々も いつか変えれる / 辛い日々も 今じゃ笑える / 辛い日々も その為にある」——自殺した仲間、消えない傷、成功しても癒えない痛みを経た上で言えるから、あの言葉には説得力がある。 1995年生まれの流儀——少年院でリリックを書いた14歳の少年が、東京ドームを経てなお走り続ける軌跡が凝縮されている。
「SKYAMI」(Rich or Die 3 track 8)
タイトルはマイアミにインスパイアされた造語「SKY(空)+MIAMI(マイアミ)」。 フロリダの高エネルギーをそのまま日本語ラップに落とし込んだ、YZERRの国際的な野心が滲み出る一曲。 シャンパン、ウイスキー、成功——「Sky champ」としての絶対的な自信と祝祭感が全編を貫く。 Dark Heroのダークなムードとは対照的な、派手で高揚感あるYZERRの新境地。
「MONEY RAIN feat. YTG」(Rich or Die 3 track 3・2026年4月17日MV公開)
YZERRとYTGによるコラボトラック。SKYAMIと同週にMVが公開された、1週間で2本連続リリースという驚異的な生産力の証明。 「金を稼ぎ全て遊び」というフックが核心を突く、成功者の讃歌。 「会社ならクビでも首なら重てえ」「海賊って呼ばれるほどHenny飲んで」——型にはまらない生き方を海賊に例えたリリックがYZERRらしい。 ATLへのビジネス遠征、Cuban chain、Diamond——川崎から世界へ飛び出したYZERRの現在地を刻んだ一曲。
👉 「MONEY RAIN feat. YTG」の詳細記事はこちら
【客演・コラボ】YZERRが参加した楽曲
「SELF MADE 2 feat. YZERR」/ KOWICHI(2020年12月・ZOT on the WAVEプロデュース)
日本語ラップシーンを代表するKOWICHIとYZERRによるコラボ。プロデュースはZOT on the WAVE。 「自分の手で作り上げた」という成り上がりの哲学を共有する二人が、それぞれの視点から「SELF MADE」の意味を語る。
👉 「SELF MADE 2 feat. YZERR」の詳細記事はこちら
「Gila Gila feat. JP THE WAVY & YZERR」/ Awich(Prod by CHAKI ZULU)
沖縄出身の女王Awichと、JP THE WAVY、YZERRが集結した豪華コラボ。プロデュースはグラミー賞エンジニアChaki Zulu。 「Gila Gila」はマレー語で「クレイジー」を意味し、三者三様のスタイルが激突する。
👉 「Gila Gila feat. JP THE WAVY & YZERR」の詳細記事はこちら
「Higher Remix」/ ¥ellow Bucks feat. YZERR, Tiji Jojo, eyden, Bonbero, SEEDA(2023年10月20日)
東海の帝王¥ellow Bucksの「Higher」にYZERR、Tiji Jojo、eyden、Bonbero、SEEDAという5人の実力派を迎えたリミックス。 世代・地域・スタイルを超えた、日本語ラップ史上稀に見る豪華絢爛なコラボレーション。 YZERRはオリジナル版からのヴァースをそのまま使用——自身のパフォーマンスへの絶対的な自信の表れ。 「ワンバース3人を殺す/パンチラインはまるでadidas」——このラインだけでYZERRのリリックの鋭さが証明される。
「START IT AGAIN REMIX feat. YZERR」/ AK-69(2025年5月16日)
12年の時を経て完結した、AK-69とYZERRの運命的なコラボレーション。 日本語ラップの世代間の繋がりと継承を証明した、シーン全体への贈り物のような一曲。
👉 「START IT AGAIN REMIX feat. YZERR」の詳細記事はこちら
「They Love Me feat. YZERR」/ Sadboy Loko(2025年6月20日・Make It Out Records)
LA出身のチカーノラッパーSadboy LokoとYZERRによる日米コラボ。 「They Love Me」というタイトルが示す通り、世界中のファンからの愛を受け取るYZERRの自信と余裕が滲み出る一曲。 日本のラッパーが米国インディーシーンのアーティストと対等にコラボするという、YZERRの国際的な存在感を証明した作品。
👉 「They Love Me feat. YZERR」の詳細記事はこちら
YZERRのソロディスコグラフィー一覧
| 作品名 | 種別 | リリース日 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 『Rich or Die』 | ミックステープ | 2019年 | ソロ活動の原点 |
| 『Rich or Die 2』 | ミックステープ | 2023年 | BAD HOP全盛期のソロ作 |
| 「guidance」 | シングル | 2024年1月 | 舐達麻ビーフへのアンサー |
| 『Dark Hero』 | 1stフルアルバム | 2025年2月12日 | iTunes・Apple Music・LINE MUSIC 日本1位 / 全13曲 |
| 「South Side」 | 先行シングル | 2025年 | Billboard Japan Heatseekers Songs トップ10 |
| 「’95flow」 | シングル | 2026年4月 | Rich or Die 3収録・TRILL DYNASTYプロデュース |
| 「SKYAMI」 | シングル | 2026年4月 | Rich or Die 3収録・マイアミインスパイア |
| 「MONEY RAIN feat. YTG」 | シングル | 2026年4月17日 | Rich or Die 3収録・iTunes TOP40 |
| 『Rich or Die 3』 | 2ndアルバム | 2026年 | 全14曲・ポジティブ&派手路線 |
まとめ:BAD HOP解散後のYZERRはさらに進化している
Dark Heroで「孤独なダークヒーロー」を表現し、Rich or Die 3で「世界を舞台にした成功者」を描く—— BAD HOP解散後のYZERRは、むしろソロになってから表現の幅が広がっている。
「成功しても傷は癒やされない」と「MONEY RAIN(金を稼ぎ全て遊び)」、この二つが同じ人間から出てくる。 その矛盾を抱えたまま走り続けているから、YZERRのリリックには常にリアルの重みがある。
このブログではYZERRの新曲・新アルバムを随時追加していくので、ブックマークしておいてほしい。


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