Vingo “XXXL” feat. Tyla Yaweh & LEX prod. foux :東京×フロリダ×日本語ラップ、3者が廃墟で合流した一曲

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Vingoが今週、Tyla YawehとLEXをフィーチャーした「XXXL」をドロップした。2026年5月4日のリリースだ。BAD HOP解散から1年以上が経ち、ソロとして着実に足場を固めてきたVingoが放ったこの曲は、アメリカのラッパーを招いた本格的な国際コラボレーションであり、彼のソロキャリアが新たなフェーズへ踏み込んだことを明確に示す一作だ。

VingoとBAD HOP、そしてソロへの軌跡

VingoはTokyo Young Visionというグループで活動していたが、イベントでBAD HOPのリーダーであるYZERRと出会い、18歳のときにTokyo Young Visionを脱退してBAD HOPに加入した。

VingoはBAD HOPメンバーで唯一の東京都出身者だ。もともと東京の別グループで活動していたがイベントを通じてYZERRと仲良くなり、BAD HOPに途中加入した。BAD HOP解散以降、さらに注目を集めているという。

エミネム主演の映画「8mile」に影響を受けてHIP HOPにのめり込んだと言われるVingoは、レゲエアーティストのBob Marleyを崇拝しており、額にはBob Marleyの名言「Love The Life You Live」という言葉のタトゥーを入れている。

2024年2月14日、BAD HOPが東京ドームでのラストライブをもって解散した後、Vingoはソロアーティストとして活動を本格化させた。2025年3月22日に1stシングル「楽笑」をリリースし、2025年4月29日には待望の1stソロアルバム「VINNY」をリリース。Apple Musicでの総合アルバムチャートで1位を獲得するなど、ソロとしても大きな注目を集めた。

アルバム「VINNY」について、VingoはApple Musicのインタビューで「VINNY少年が大人になってVingoに変わっていくというコンセプトを頭の中に持ってアルバム全体を作っています。前半はものすごく怒っていたり、ちょっと悪かったり、荒れてるようなイメージで、後半になるにつれて音も落ち着いて、大人になっていくような展開になっています」と語っている。

プロデューサー・foux

「XXXL」のプロデュースを手がけたfouxは、Vingoにとって信頼のおける同志だ。アルバム「VINNY」のINTROについてVingoは「トラックメイカーのアントニー(Foux)もかなりこだわって作ったって言っていました」と語っており、「VINNY」制作時から深く関わってきたプロデューサーがこの曲でも音の設計を担っている。さらにfouxはRAP STAR 2025でも活躍するなど、日本のヒップホップシーンで頭角を現してきたビートメイカーだ。彼のプロデュースは派手なアピールよりも楽曲の骨格を確かに支える方向性で、「XXXL」でもその特性が発揮されている。

Tyla Yaweh──Post Malone発掘のフロリダ出身ラッパー

Tyla Yawehの本名はTyler Jamal Brown。1995年生まれのアメリカのラッパー、シンガー、ソングライターだ。シンガーのPost Maloneに発掘され、そのマネージャーDre LondonのLondon EntertainmentをとおしてEpic Recordsと契約を結んだ。

彼が最もよく知られているのは2020年のシングル「High Right Now」と「Tommy Lee」だ。どちらもRIAA(全米レコード協会)からプラチナ認定を受けており、「Tommy Lee」はBillboard Hot 100で65位まで上昇した。

Tyla YawehはGreen DayやBlink-182を聴いて育ったとあり、そのロック的感性がラップと融合した独自のスタイルを生み出している。Billie Joe Armstrong、Travis Barker、Mötley CrüeのTommy Leeなど、自分が青春時代に聴いていたロックスターたちと実際にコラボを果たしてきた。

「XXXL」でのプロモーションを兼ねて、Tyla Yawehは日本に来日し、Vingoとの4公演のライブツアーをこなした。日本のアーティストとの共作と合わせて日本でのライブをセットで組むというこの戦略は、両者の本気度を示している。

LEX──声域の自在な使い手

LEXはこの曲でバースのパフォーマンスに創造的な自由度を発揮し、高音と低音を使い分けながら実験的なアプローチを見せている。LEXはBAD HOP時代からVingoと縁が深く、BAD HOPの人気曲「Friends」にもVingo、JP THE WAVY、Benjazzy、YZERRらと共に参加していた。また「VINNY」アルバムにも客演として名を連ねており、ソロVingoの世界観を最も近くで知る日本人ラッパーの一人だ。

楽曲「XXXL」の魅力

ミュージックビデオは日本の廃墟でロケされており、3人が同じ空間に集結する映像が展開する。Vingoはタイトなブレイズとおでこのタトゥーで存在感を放ち、この曲の主役として最初のバースを担当する。Tyla Yawehはバースの中で「kawaii」という言葉を使っており、これが日本のファンを確実に熱狂させる瞬間になっている。

「XXXL」という曲名が示すのは、スケール感の宣言だ。Vingo個人のソロキャリアを超えて、アメリカのプラチナアーティストを呼び込み、日本の信頼できる客演と並べ、廃墟という非日常の空間でMVを撮る──そのすべてが、日本語ラップの文脈では「特大(XXXL)」のスケールのコラボレーションを指している。

この曲が持つ意味

2025年の新木場FACTORYでのワンマンライブの最後にVingoは「アメリカでの大型プロジェクトが始動する」と発表していた。「XXXL」はその宣言の最初の具体的な果実だ。フロリダ育ちのPost Malone周辺アーティストと、fouxが生み出す日本産のビートが乗り、廃墟でMVが撮られる。その組み合わせに、Vingoが描くソロアーティストとしての地図が透けて見える。

BAD HOPの解散はゴールではなく出発点だった。「VINNY」がその第一章なら、「XXXL」はVingoが世界へと矢を放つ最初のシグナルだ。

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