ZORN / Rep(Remix) feat.NORIKIYO

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ZORN / Rep(Remix) feat.NORIKIYO 徹底解説

はじめに

2020年1月にリリースされた「Rep(Remix) feat.NORIKIYO」は、日本語ラップシーンにおける地元愛(Rep)をテーマにした楽曲の傑作として語り継がれる作品です。新小岩・葛飾をレペゼンするZORNと、相模原を代表するNORIKIYOという、それぞれの地域に深く根ざした二人のラッパーがタッグを組んで生まれたこのリミックスは、オリジナル版の「Rep feat. MACCHO」を基に、新たな魅力を加えた名作として高く評価されています。

オリジナル楽曲「Rep feat. MACCHO」について

楽曲の背景

「Rep(Remix) feat.NORIKIYO」を理解するためには、まずオリジナル版である「Rep feat. MACCHO」について知る必要があります。この楽曲は2019年12月5日にリリースされ、ZORNが昭和レコード脱退後に発表した初期の重要作品の一つです。

OZROSAURUSのMACCHOを客演に迎えたオリジナル版は、新小岩~葛飾を背負うZORNと国産ヒップホップの揺るがないRepクラシック「AREA AREA」で浜を絶対的な地域と記したOZROSAURUSのMACCHOという、このテーマでこれ以上ない組み合わせが実現した強力な1曲として話題を呼びました。

制作陣

オリジナル版、リミックス版ともに、作詞はZORN、NORIKIYO、作曲はZORN、BACHLOGICが手がけており、BACHLOGICの重厚なプロダクションが楽曲の基盤となっています。

アーティスト詳細解説

ZORN – 新小岩が生んだストリートポエット

基本プロフィール:

  • 生年月日: 1989年2月16日
  • 出身地: 東京都葛飾区新小岩
  • 旧名: ZONE THE DARKNESS

生い立ちとキャリア: ZORNは東京都葛飾区新小岩市で生まれ育ち、中学の時にTHA BLUE HERBやキングギドラを聴きHIPHOPにハマっていった。その後、高校に進学するも中退し、その後逮捕され18.19歳の2年間を少年院で過ごすという壮絶な経験を持ちます。

しかし、少年院で感じたZORNは、更生の道を歩み始め、少年院内の作文コンクールで最優秀賞を受賞し主席で卒業。出所後は本格的にラッパーとしての活動に力を入れ、MCバトルで実力を示していきます。

音楽的特徴: 生活に根差した等身大のリリックと、複雑に重ねられる圧倒的な韻が評価されているZORNは、10代の頃から、3連覇した「THE罵倒」を始め、「B BOY PARK U-20 MC BATTLE」、「ULTIMATE MC BATTLE」などのMCバトルで好成績を残したバトルMCとしての実力も持ち合わせています。

昭和レコード時代とその後: 2014年、般若主宰の昭和レコードに般若・SHINGO☆西成に続く第三の男として加入し、ZORNに改名。その後、数々の名作アルバムをリリースし、2019年に昭和レコードを脱退。独立後も精力的に活動を続け、2021年には武道館でのワンマンライブを成功させました。

NORIKIYO – 相模原のリリシスト

基本プロフィール:

  • 生年月日: 1979年12月12日
  • 出身地: 神奈川県相模原市
  • 所属: SD JUNKSTA(リーダー)

音楽への道のり: NORIKIYOは1979年12月12日に、神奈川県相模原市で生まれ、中学生の時にスケボーにハマり、そこでふと目にしたスケボーの動画で、DE LA SOULの曲が使われており、初めてHIPHOPと出会った。

1999年頃、神奈川県相模原市にて地元の仲間達とSD JUNKSTAを結成し、当時はK-NERO名義でトラックメーカーとして参加。その後、ラッパーとしても本格的に活動を開始します。

キャリアハイライト:

  • 2007年: 1stソロアルバム「EXIT」をリリース(THE SOURCE誌「BEST OF JAPANESE RAP 2007」第三位)
  • 2008年: 2ndアルバム「OUTLET BLUES」をリリース(BACHLOGIC全面プロデュース)
  • 2019年: 9thアルバム「平成エクスプレス」をリリース

音楽的特徴: NORIKIYOのラップスタイルは、フロウを特に大切にしているラップスタイルで、言葉の重み、大切さをとても強く感じるようなラップスタイルとなっています。

楽曲「Rep(Remix) feat.NORIKIYO」詳細分析

リミックスの意義

ZORNの『Rep feat. MACCHO』のRemixである『Rep (Remix) feat. NORIKIYO』が更にとんでもない事になっていますという評価を受けたこのリミックスは、オリジナル版とは異なる魅力を持った作品として完成されました。

NORIKIYOの参加意義

NORIKIYOといえば、相模原をレペゼンするラッパーです。神奈川出身者として私は漏れなく大好きです。大好物です。一本筋が通っていて、リリックがいちいちかっこいいんですよねという評価があるように、地元愛をテーマにした楽曲に相模原を代表するNORIKIYOが参加することの意味は非常に大きなものでした。

韻の技術

NORIKIYOの技術的な側面について、言わずもがなですが、意味を通しながら〔aaiaa〕で終始踏み続けるっていうだけでもかなりのスキルと評価されており、リリックの意味を保ちながら一貫した韻を踏み続ける高度な技術が称賛されています。

フックのアレンジ

リミックス版での工夫として、そしてこのhookですよ。原曲と韻を若干変えてきているのがなんともオシャレ。これぞRemix!そのままhook歌うのももちろんありなんですけど、せっかくRemixするからには、原曲へのリスペクトを込めつつオリジナリティも発揮してほしいですが、見事に叶えてくれました。完璧です。星5つですと絶賛されています。

地元愛(Rep)というテーマの重要性

日本語ラップにおける地域性

「Rep」は「Represent」の略で、自分の出身地や所属するグループを誇りを持って代表するという意味です。この楽曲は、ZORNの新小岩・葛飾とNORIKIYOの相模原という、それぞれ異なる地域への愛と誇りを歌った作品として、日本語ラップにおける地域性の重要性を示しています。

リアルなストーリーテリング

両アーティストとも、華やかな生活を歌うのではなく、等身大の日常や地元での経験をリアルに描くスタイルで知られており、この楽曲でもそうした姿勢が貫かれています。

楽曲の影響と評価

批評家からの評価

稀代のリリシスト NORIKIYOとして称されるNORIKIYOの参加により、この楽曲は単なるリミックスを超えた新たな作品として評価されました。

ファンからの反応

楽曲は日本語ラップファンから高い評価を受け、特にリリックの巧みさとフロウの美しさが称賛されました。また、二人の異なるスタイルが見事に調和していることも話題となりました。

収録アルバムとリリース情報

「Rep(Remix) feat.NORIKIYO」は2020年1月16日にシングルとしてリリースされ、各種ストリーミングサービスでも配信されています。楽曲は約3分の長さで、BACHLOGICによる重厚なプロダクションが特徴的です。

両アーティストのその後の活動

ZORNのその後

ZORNは独立後も精力的に活動を続け、2021年1月24日には念願の武道館でワンマンライブ「My Life at 日本武道館」を開催。昭和レコード時代の盟友である般若、SHINGO★西成とも共にステージに立ち、多くの豪華ゲストが登場する大成功のライブとなりました。

NORIKIYOの現状

NORIKIYOは2022年8月に大麻取締法違反で逮捕され、実刑判決を受けて2023年6月から収監されています。この逮捕について、本人は医療目的での使用であったと主張しており、音楽活動への復帰が待たれています。

まとめ

「ZORN / Rep(Remix) feat.NORIKIYO」は、日本語ラップシーンにおける地元愛をテーマにした楽曲の傑作として位置づけられる作品です。新小岩・葛飾を愛するZORNと相模原を代表するNORIKIYOという、それぞれの地域に深く根ざした二人のラッパーが作り上げたこの楽曲は、オリジナル版を上回る完成度を誇る名作リミックスとなりました。

BACHLOGICによる重厚なプロダクションの上で展開される両者のリリックは、地元への愛と誇りを等身大の言葉で歌い上げ、聴く者の心に深く響きます。特にNORIKIYOの巧みな韻の技術と、楽曲構成への深い理解が光る参加は、この楽曲を単なるリミックスではなく、新たな作品として昇華させることに成功しています。

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