BAD HOP「KAWASAKI SONG feat. DJ TY-KOH, Bark, T-Pablow, Benjazzy, JJJ, BIM & A-THUG」楽曲情報
基本情報
リリース日: 2024年3月22日
収録アルバム: BAD HOP(THE FINAL Edition)
楽曲時間: 4分54秒
ジャンル: 日本語ラップ / ヒップホップ
参加アーティスト
この楽曲は、BAD HOPの解散前最後のアルバム収録曲として制作された特別な作品です。参加アーティストは以下の通りです:
- DJ TY-KOH – プロデューサー/DJ
- Bark – BAD HOPメンバー
- T-Pablow – BAD HOPリーダー格
- Benjazzy – BAD HOPメンバー
- JJJ – ゲストアーティスト
- BIM – ゲストアーティスト
- A-THUG – ゲストアーティスト
楽曲の背景
BAD HOPの最後の作品群
「KAWASAKI SONG」は2024年3月22日にリリースされたBAD HOPのラストアルバム『BAD HOP(THE FINAL Edition)』に収録されている完全新曲の1つです。この楽曲は、これまで一度も情報が出ていなかった新曲として発表されました。
解散との関連
BAD HOPは2024年2月19日に東京ドームでのラストライブ『BAD HOP THE FINAL at TOKYO DOME』を開催し、約10年の活動に終止符を打ちました。「KAWASAKI SONG」は、彼らの地元である川崎への思いを込めた楽曲として制作されたと考えられます。
川崎との結びつき
地元への愛
BAD HOPは神奈川県川崎市を拠点に活動していた8人組ヒップホップ・クルーで、川崎市南部の京浜工業地帯、池上町出身のメンバーが中心となって結成されました。楽曲タイトルにある「KAWASAKI」は、彼らのルーツそのものを表しています。
「Kawasaki Drift」との関連性
BAD HOPの代表曲の一つに「Kawasaki Drift」があります。この楽曲は東京ドームでの解散ライブでも演奏され、「川崎区で有名になりたきゃ人殺すかラッパーになるかだ」という壮絶なパンチラインが空前のボリュームでドームに響きわたりました。「KAWASAKI SONG」も同様に、彼らの地元愛を表現した作品と推測されます。
音楽的特徴
プロデュース
DJ TY-KOHがプロデュースを手がけており、現代的なヒップホップサウンドと日本語ラップの融合が期待される楽曲構成となっています。
コラボレーション
予想外のフィーチャリングアーティスト陣が参加した楽曲として紹介されており、BAD HOPメンバーに加えて外部のアーティストとの共演が実現しています。
リリック一部引用解説
[Hook]
North Side South Side 夢を描いてたBay Side 繋がる街の兄弟 上にあがってもLow Life
川崎の地理的なエリア(North / South / Bay side)をフックにして、「どこに住んでいても同じ川崎の兄弟」という意識を強調。
“上にあがっても Low Life” は、成功しても地元の泥臭さ・リアルを忘れない姿勢。
[Verse 1: Benjazzy]
不確かな成功に未だ宙吊り 見ての通り平和何かじゃねぇ平和通り
川崎の「平和通り」は実際にある商店街。しかし名前と裏腹に、ストリートの危険さ・不安定さが漂うというリアルを描いている。
飛んだ奴より足据えて上に上がってる 誰の理解も求めなかった結果 誰よりも受ける恩恵
薬や一発の運に頼らず、地に足をつけて進んできた結果、本物の恩恵(リスペクト・成功)を掴んでいることを誇示。
川崎はめんどくせぇ愛の町
川崎の複雑さを示すパンチライン。「危険や苦労も多いけど、それも含めて愛してる」という表現。
[Verse 2: BARK]
眠らない俺らの街 だからここじゃ夢を見ない
夜の街・労働の街・24時間動き続ける街「川崎」を表現。夢を見ない=現実が厳しい場所でもある。
歴史は歴史から生まれてく 繋ぐバトンがカルチャーとなってく
先輩から後輩へ続く地元のストリートカルチャーを強調。
不法占拠の地区で育ってきたはずが市長も首を縦に振ってる
川崎のドヤ街・簡易宿泊所などを背景にしながらも、今は行政も認めざるを得ないカルチャーへ成長している事実。
[Verse 3: JJJ]
中瀬のボロ家 大師の家族 鹿島と遊ぶ
川崎大師やその周辺の地名を入れながら、自分のルーツを具体的に描写。JJJ特有のスモーク感ある表現で、リアルな日常と音楽的な夢をミックス。
産業道路 ’til i die
川崎の大動脈「産業道路」。一生そこに根ざしている、という強い地元意識。
[Verse 4: BIM]
俺らの番号は044 燃えないゴミ出す月木土
「044」は川崎市の市外局番。地域に根差した日常をユーモラスに描きながら、確かな帰属意識を表す。
[Verse 5: A-THUG]
伊勢町 川中からgo let’s go 今は夢の町 new York
川崎の地元から飛び出し、ヒップホップの聖地ニューヨークまで到達した自分の物語。
体は年をとる でも魂は 春に向かう
ストリートで歳を重ねても、心は常に前を向いている。逆境の中でも希望を失わない姿勢。
総合解説
この楽曲は、川崎という街を生き抜いたストリートのリアリティを共有しながら、それぞれのラッパーが自分のルーツと夢を語るリレー形式のサイファーのような構成になっています。
各ラッパーが異なる角度で「川崎」を切り取り、全体で一枚の巨大な地元の肖像画を描いている。
地元の具体的な地名や風景(平和通り、伊勢町、溝の口、産業道路、044…)を散りばめることで、リスナーに川崎の空気感をリアルに伝える。
「Low Lifeでも誇り」「夢を見ない街でも夢を叶える」という矛盾を抱えながらも生きる強さを表現。
歴史的意義
解散前の集大成
BAD HOPの10年の活動、まさにその集大成となっているラストアルバムの収録曲として、この楽曲は彼らのキャリアの締めくくりを飾る重要な作品です。
日本のヒップホップシーンへの影響
BAD HOPは日本のヒップホップアーティスト史上最年少で東京・日本武道館単独公演を敢行し、東京ドームでのライブは前代未聞の快挙でした。「KAWASAKI SONG」は、そんな彼らの最後のメッセージとして位置づけられます。
配信・視聴情報
楽曲は各種音楽配信プラットフォームで配信されており、Apple Music、Spotify、AWA等で聴取可能です。また、ミュージックビデオも制作されており、視覚的にも楽曲を楽しむことが可能です
まとめ
「KAWASAKI SONG」は、BAD HOPの解散前に制作された特別な楽曲であり、彼らの地元川崎への愛と10年間の活動への思いが込められた作品です。多彩なアーティストとのコラボレーションにより、BAD HOPの音楽的な集大成としての価値を持っています。
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