SugLawd Familiar, CHICO CARLITO, Awich – LONGINESS REMIX

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はじめに

2022年にリリースされ、2023年に「THE FIRST TAKE」での圧巻のパフォーマンスで大きな話題となった「LONGINESS REMIX」は、沖縄を代表する3組のアーティスト、SugLawd Familiar、CHICO CARLITO、Awichがコラボレーションした注目の楽曲です。この楽曲は、SugLawd Familiarの代表作「Longiness」のリミックスバージョンとして制作され、沖縄ヒップホップシーンの現在を象徴する重要な作品となっています。

参加アーティスト紹介

SugLawd Familiar(サグラダファミリア)

沖縄出身のOHZKEY、Oichi、Vanity.K、XF MENEWの4人のラッパーにDJのcaster mildを加えた5人組ヒップホップクルーです。全員が2002年生まれの同世代で構成されています。

クルー名は「バルセロナの世界遺産として知られ、着工から100年以上を経てもなお未完成の建築物の名に由来するSugLawd Familiar」で、未完の建造物=”自分たちも発展途上で常に進化し続ける”という意味も込めてつけられました。

2020年にリリースした「Longiness(feat. OHZKEY&Vanity.K)」が総再生数2,000万回を超えるヴァイラル・ヒットを記録し、Spotifyバイラルチャートで1位を獲得。Apple Musicが日本国内の才能に溢れた将来有望なアーティストを紹介する企画『Up Next Japan』の2022年第1弾に選出されるなど、新世代ヒップホップクルーとして高く評価されています。

CHICO CARLITO(チコ・カリート)

1993年、沖縄県那覇市出身のラッパー。母方の祖父がプエルトリコ系のアメリカ軍人であり、ラッパー名の「CHICO」は祖父のあだ名から採ったものです。また、「CARLITO」は映画『カリートの道』に由来しています。

2015年にMCバトルの大会・ULTIMATE MC BATTLE GRAND CHAMPIONSHIPで優勝を果たし、テレビ朝日系列「フリースタイルダンジョン」初代モンスターとしても活躍しました。高く透き通るようなボイスとゆったりしたリズム取りのラップが特徴で、沖縄への強い愛着を持つアーティストとして知られています。

Awich(エーウィッチ)

1986年12月16日生まれ、沖縄県出身の女性ラッパー。YENTOWNのメンバーとして活動し、2020年にユニバーサルミュージックよりメジャー・デビューを果たしました。

19歳で渡米し、大学を卒業。アフリカ系男性と結婚し娘を出産するも、夫と死別。その後日本に帰国し、本格的な音楽活動を再開しました。小学4年生から米軍基地内の英会話教室に通い、海外のヒップホップから生きた英語を学んだ経験を持ち、13〜14歳ごろ2パックのアルバム『All Eyes On Me』を聴いて開眼したといいます。

「LONGINESS REMIX」について

楽曲の成り立ち

この楽曲は、「Awichがリリースした、沖縄のラッパーの楽曲をまとめたコンピレーション「098RADIO vol.1 Hosted by Awich」に収録された”LONGINESS REMIX”」として制作されました。

実現のきっかけは、Awichからイベントで会った時に「いつか一緒に曲をやれたらいいね」と声をかけてもらってから約1年後に、Oichiの元にAwichからオファーのDMが来たことでした。

楽曲の内容とメッセージ

原曲「Longiness」の持つ強烈なフックとメッセージ性はそのままに、3組のアーティストがそれぞれの個性と技術を融合させた作品となっています。楽曲は沖縄という共通のルーツを持つアーティスト同士の化学反応を見事に表現しており、「リーズナブルな完成度+スケスケまくりのimitation」というフックが印象的です。

THE FIRST TAKEでのパフォーマンス

2023年2月8日に「THE FIRST TAKE」で披露されたバージョンは、特に大きな注目を集めました。「Episode 279 and our first episode in 2023 welcomes back Awich. 1 TAKE performance of the new remix version of ‘LONGINESS’」として紹介され、PRADAの最新シーズンを彩る洗練されたルックを身にまとい、「LONGINESS REMIX」としてパフォーマンスしました。

このパフォーマンスは沖縄出身の3組のアーティストが集結したスペシャルコラボレーションとして話題となり、ファッションメディアGINZAにスペシャルコンテンツも公開されました。

楽曲の意義と影響

沖縄ヒップホップシーンの象徴

「LONGINESS REMIX」は、沖縄ヒップホップシーンの現在を象徴する作品として重要な意味を持ちます。「異国の地「沖縄」から届ける本コンピレーションはレジェンドから若手まで今の沖縄を象徴する仕上がりになっている」と評されるように、世代を超えた沖縄のアーティストたちの結束を示しています。

新世代と確立されたアーティストの共演

SugLawd Familiarという新世代のクルーと、既に確固たる地位を築いたCHICO CARLITO、Awichという組み合わせは、沖縄ヒップホップシーンの継承と発展を象徴的に表現しています。

商業的成果

楽曲は配信開始後、大きな話題となり、「すでにストリーミングの再生回数が500万回越えを記録するなど大きな話題になっている」成果を上げました。この成功により、SugLawd Familiarは「Awichの「Zepp DiverCity Tokyo」や「K-Arena Yokohama」でのライブにもゲスト出演するなど、この曲をきっかけに大きなステージを経験しました」

サウンドプロダクション

楽曲のプロダクションは、原曲「Longiness」の「クラシカルなビートと強烈なフック」を活かしながら、3組のアーティストそれぞれの個性を最大限に引き出すアレンジが施されています。ブーンバップなビートをベースに、それぞれのアーティストが持つ独特のフロウとスタイルが見事に融合しています。

まとめ

「SugLawd Familiar, CHICO CARLITO, Awich – LONGINESS REMIX」は、沖縄ヒップホップシーンの過去、現在、未来を一つの楽曲に凝縮した傑作です。新世代を代表するSugLawd Familiar、フリースタイルダンジョンで名を馳せたCHICO CARLITO、そして日本を代表する女性ラッパーAwichという3組の化学反応は、沖縄という共通のルーツから生まれる独特のエネルギーと魅力を世界に向けて発信しています。

この楽曲の成功は、地方発のヒップホップが全国的な注目を集める可能性を証明しており、今後の日本のヒップホップシーンにおける地方発のムーブメントの礎となる重要な作品として、長く語り継がれることでしょう。

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