下町から武道館へ、そして葛飾へ──ZORN「地元LOVE feat. 後藤真希」が刻む原点

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2026年2月16日、武道館が震えた夜

2026年2月16日、東京・日本武道館。ZORNとOZROSAURUSによるツーマンライブ「All My Homies presents “Family Day”」のライブ終盤、その瞬間は訪れた。

ステージにサプライズ登場したのは——後藤真希。

武道館に地鳴りのような大歓声が響き渡る中、二人が並んで初披露したのが新曲「地元LOVE feat. 後藤真希」だ。後藤は「武道館最高!」と叫び、ZORNと熱い握手を交わした。ZORNが興奮冷めやらぬ様子で「ヤバいでしょ?」と観客に振ると、会場はさらに沸く。後藤が「改めまして後藤真希です!」と挨拶し、ZORNが「姐さんのおかげです」と感謝する——このシーンだけで、すでに伝説だ。

そして当日はZORN自身の誕生日でもあり、後藤から「ハッピーバースデー!」と祝福されるという、最高すぎる夜になった。

翌2月17日(火)、楽曲は各主要サイトで配信開始。MVはZORN公式YouTubeで公開中だ。


コラボ実現の経緯──一枚の写真集が生んだ「天啓」

このまさかのコラボレーションは、どのようにして生まれたのか。

きっかけは後藤真希の写真集『flos』だった。ZORNがその写真集を読んでいる最中に「天啓」を受け、熱いラブコールを送ったところ、後藤が快諾。運命的な出会いがこの曲を生み出した。

後藤真希はこの写真集が異例のロングヒットを記録するなど、40歳にしてあらためてその存在感を証明しているタイミングだった。ZORNが「姐さん」と呼ぶその言葉には、単なるリスペクト以上の意味が込められている。


「地元LOVE」── この曲の全貌

リリース情報

  • Artist:ZORN(ゾーン)
  • Title:地元LOVE feat. 後藤真希
  • Release Date:2026年2月17日(火)
  • Label:All My Homies
  • Format:Digital (DL Only)

クレジット

  • Words by:ZORN
  • Music Produced by:BACHLOGIC
  • Mixed & Mastered by:Hayabusa
  • MV監督:山田健人
  • ジャケット写真・メインビジュアル:川上智之(フィルムカメラ使用)
  • 友情参加:木村昴(声優)
  • サンプリング元:モーニング娘。「恋愛レボリューション21」(作詞・作曲:つんく ©2000 by UP FRONT MUSIC INC. / TV TOKYO Music, Inc.)

葛飾区という「共通項」が生んだ下町サミット

この曲の核心にあるのが「地元・葛飾区」というテーマだ。

ZORN、後藤真希、そして友情参加した声優の木村昴——この三者に共通するのが葛飾区という地元。まさに”下町サミット”とも言える布陣で、ZORNが一貫してラップしてきた「東京の下町」「葛飾のリアル」というテーマが、この曲でひとつの到達点を迎えた。

歌詞の世界には「半径5キロの生活圏」「ガテン系の労働」「馬券・舟券文化」「デキ婚」といった下町の生態系がリアルに描かれている。そして港区という「成功の象徴」と対比させながら、むしろ葛飾・江戸川という生まれ育った土壌を誇りとして歌う——そのスタンスがZORNのアイデンティティそのものだ。


サンプリング「恋愛レボリューション21」が意味するもの

この曲の最大の仕掛けのひとつが、後藤真希が在籍していたモーニング娘。の「恋愛レボリューション21」からの歌詞サンプリングだ。

後藤真希がフィーチャリングしている曲の中に、後藤真希自身が歌っていたあの名曲のフレーズが引用される。これは単なるオマージュではなく、「過去と現在の後藤真希が同じ曲の中で出会う」という、時代を超えた構造だ。2000年リリースの「恋愛レボリューション21」は平成J-POPの象徴的楽曲。あの時代に青春を過ごした世代にとっては、このサンプリングだけで胸に来るものがあるはずだ。

BACHLOGICのプロデュースによってそのフレーズが現代のビートの中に溶け込む様は、Y2K世代の文化記憶を鮮やかに呼び起こす仕掛けになっている。


ZORNというラッパー──葛飾から武道館まで

ZORN(ゾーン)は東京・下町、葛飾区出身のラッパーだ。もともとは「ZONE THE DARKNESS」名義で活動し、自主制作アルバムを重ねた後、2014年に般若率いる昭和レコードに加入してZORNと名を改めた。

「柴又日記」「生活日和」といったアルバムタイトルが象徴するように、彼の音楽は常に「生活」「地元」「日常」に根ざしてきた。MC BATTLEシーンでも「ULTIMATE MC BATTLE」や「B-BOY PARK」で好成績を残し、そのリリシストとしての実力は早くから評価されていた。

昭和レコード脱退後は独立し、MACCHO(OZROSAURUS)、ANARCHY、KREVAらとのコラボ曲を次々と発表。2021年1月には日本武道館でワンマンライブ「My Life at 日本武道館」を敢行し、同年9月には横浜アリーナでもワンマンライブを成功させた。今や日本語ラップシーンを代表するアーティストの一人だ。


BACHLOGICと山田健人──この曲を支えるクリエイター陣

プロデューサーのBACHLOGICは、日本語ラップシーンを支えるトップビートメイカーのひとり。ZORNとの相性は抜群で、今回のビートも「地元」という言葉の重さを音で体現するような、重厚かつ温かみのあるサウンドに仕上がっている。

MV監督の山田健人は新進気鋭の映像作家で、アーティストの世界観を映像に落とし込む力に定評がある。そして写真家・川上智之がフィルムカメラで撮影したジャケット写真は、デジタルでは出せないレトロな質感と温度感を持ち、楽曲のノスタルジックな空気を完璧に視覚化している。


7月30日、葛飾へ凱旋

「地元LOVE」は曲だけではない。ZORNはこの楽曲タイトルを冠した単独公演を2026年7月30日(木)、地元・かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホールで開催する。

この会場は2019年7月28日にワンマンライブを行った場所。実に約7年ぶりの地元・葛飾での凱旋公演となる。武道館を制したラッパーが、あえて地元の小さなホールに戻ってくる——それ自体がこの曲のメッセージそのものだ。


まとめ──「地元」を誇りにするということ

ZORN「地元LOVE feat. 後藤真希」は、日本語ラップと平成J-POPが出会い、葛飾という下町の誇りが爆発した、2026年最初の大きな音楽的事件だ。

武道館での初披露、後藤真希とのサプライズコラボ、「恋愛レボリューション21」のサンプリング、葛飾区という共通の地元——これだけの要素が揃って、外れるわけがない。

ZORNが一貫して歌い続けてきた「地元への愛」「生活のリアル」「下町の誇り」。この曲はその集大成であり、新たな出発点でもある。

港区よりも葛飾を誇る——その生き方に、ちょっと勇気をもらえる気がしませんか。

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