OZROSAURUS「風吹く土曜 feat.SAY」- 日本語ラップ史に残る珠玉のバラード

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イントロ:ハマの怪獣が紡ぎ出したエモーショナルな傑作

横浜が誇る日本語ラップのレジェンド、OZROSAURUS(オジロザウルス)が2006年にリリースした「風吹く土曜 feat.SAY」は、発売日:2006/03/15に世に送り出され、日本語ラップシーンに大きなインパクトを与えた楽曲です。この楽曲は、MACCHOの圧倒的なリリック力とSAYの美しい歌声が織りなす、感動的なバラードナンバーとして今なお多くのリスナーに愛され続けています。

アーティスト解説:OZROSAURUSとMACCHO

OZROSAURUSの歴史

OZROSAURUS(オジロザウルス)は、日本のヒップホップバンド。1996年にヒップホップユニットとして結成されました。MCのMACCHOと、DJのDJ TOMOの2人で横浜市にて結成され、2001年 – 初のフルアルバムとなる『ROLLIN’045』を発表。売上枚数8万枚を超えるロングセラーを記録するなど、横浜発のヒップホップユニットとして日本語ラップシーンの礎を築きました。

MACCHOのプロフィール

MACCHOは、1978年に神奈川県横浜市で生まれました。中学生の頃、通っていた服屋のオーナーにラップを勧められ、ラッパーとしての道を歩み始めます。興味深いことに、その服屋のオーナーはなんと、横浜の伝説的ヒップホップユニットDS455のKayzabroでありました。

MACCHOというMCネームは、本名の鈴木麻超(スズキ マサアキ)からきています。彼は横浜という土地に強い愛着を持ち、045スタイルを貫く横浜の伝説的ラッパーMACCHOとして、045とは、神奈川県横浜市の市外局番を意味します、横浜レペゼンを掲げ続けています。

フィーチャリングアーティスト:SAYについて

この楽曲でフィーチャリングを務めるSAYは、日本の女性歌手。長野県出身、MS ENTERTAINMENTに所属しています。2003年から日本のウエストコースト・シーンを軸に活動。DS455やOZROSAURUS、BIG RONなどの楽曲に参加し、2009年、シングル「Let’s get a partyfeat.Kayzabro(DS455)」でEMIミュージックジャパンからメジャーデビューを果たしました。

注目すべきは、2014年2月、ラッパーの般若と結婚したことで、日本語ラップシーンでも話題となりました。

楽曲解析

制作陣とサンプリング

「風吹く土曜 feat.SAY」の制作陣は非常に豪華です。作詞:MACCHO・SAY・BOBBY CALDWELL 作曲:BOBBY CALDWELL・DJ PMX(DS455)となっており、アメリカのソウル/R&Bシンガー、Bobby Caldwellの楽曲をサンプリングしていることが分かります。

DJ PMX(DS455)による楽曲プロデュースは、横浜ヒップホップシーンの系譜を感じさせるウエストコーストサウンドを基調としており、メロウなトラックの上でMACCHOの情感豊かなラップとSAYの美しい歌声が響きます。

楽曲のテーマ性

この楽曲は、失われた大切な人への想いを歌った追悼歌(レクイエム)的な側面を持っています。楽曲中に登場する「Rest In Peace」というフレーズから、亡くなった人への想いが込められていることが読み取れます。

時の流れと記憶、愛と別れ、そして人生の無常さといった普遍的なテーマが、MACCHOの詩的なリリックによって丁寧に描かれています。

リリース情報と収録アルバム

「風吹く土曜 feat.SAY」は、Rhyme&Blues (通常盤)に収録されており、4:33の楽曲尺を持っています。現在でも105,157 Listensを記録するなど、リスナーに長く愛され続けている楽曲です。

OZROSAURUSの現在

OZROSAURUSは現在、2015年 – ZEEBRAによって設立されたレーベル、GRAND MASTERに移籍。しかし、のち脱退。また、新メンバーが加入し6人組のバンドとなるという変遷を経て、2023年には2023年9月18日に横浜アリーナで行われたOZROSAURUSのワンマンライブ「OZROSAURUS NOT LEGEND at YOKOHAMA ARENA」を成功させるなど、精力的に活動を続けています。

近年では横浜DeNAベイスターズとのコラボレーションも積極的に行っており、2017年 – 横浜DeNAベイスターズのシーズンスローガン「THIS IS MY ERA.」のコンセプトムービーに楽曲「THIS IS MY ERA.」を提供するなど、地元横浜への愛情を音楽を通じて表現し続けています。

日本語ラップシーンにおける位置づけ

「風吹く土曜 feat.SAY」は、日本語ラップがアンダーグラウンドから徐々にメジャーシーンに浸透していく2000年代中期において、ハードコアなラップだけではない日本語ヒップホップの多様性を示した重要な楽曲として位置づけられます。

MACCHOの圧倒的な実力を余すところなく見せつけたリリック技術と、感情に訴えかけるメッセージ性は、多くの後続アーティストに影響を与えました。

まとめ

「風吹く土曜 feat.SAY」は、OZROSAURUS(MACCHO)とSAYという二人のアーティストが創り上げた、時代を超越した名曲です。横浜という土地への愛情、失われたものへの想い、そして音楽への真摯な姿勢が込められたこの楽曲は、日本語ラップの歴史において永続的な価値を持ち続けるでしょう。

現在も活動を続けるOZROSAURUSの音楽的ルーツを知る上でも、また日本語ヒップホップの豊かな表現力を感じる上でも、この楽曲は必聴の一曲と言えるでしょう。

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