Foesum「Playin’ Foe Keeps feat. Wayniac」― 原点回帰、そして盟友との再会

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Foesum「Playin’ Foe Keeps feat. Wayniac」― 原点回帰、そして盟友との再会

2002年にリリースされたFoesumのセカンドアルバム『The FoeFathers』には、多くの印象的なトラックが収められている。しかしその中でも「Playin’ Foe Keeps feat. Wayniac」は、単なる一曲を超えた特別な意味を持つ。フィーチャリングアーティストとしてクレジットされたWayniacの名前——それを見た瞬間、Foesumの歴史を知るリスナーは思わず息をのむはずだ。なぜなら、WayniacはFoesumにとって「ゲスト」などではなく、このグループの原点を共に作り上げた、紛れもないオリジナルメンバーだからだ。


Wayniacとは何者か ― Foesumの「失われた創設者」

この曲の核心を理解するには、まずWayniacというアーティストの素性と、Foesumとの深い関係を掘り下げなければならない。

Foesumは1991年頃、T-Dubb、Wayniac、MNMsta、DJ Glazeの4人で構成されていた。「Foesum」という名前はスラングで「foursome(4人組)」を意味し、よりストリートな響きを持つこの名前が選ばれた。そう、WayniacはFoesumの「4」の一人だった。グループ名の由来そのものが、彼の存在を含んだ上で成り立っていたのだ。

しかし1992年、WayniacはWarren Gから声をかけられた。Warren Gがアルバム『Regulate…G Funk Era』の制作に際して、ライティングの協力を求めたのだ。これがWayniacの人生を大きく動かすターニングポイントになる。

やがてWayniacは双子の兄弟Trip LoccとThe Twinzを結成し、Def Jam Recordsと契約を結ぶ。その間、DJ Glaze、MNMsta、T-Dubbの3人はFoesumとして活動を継続することを選んだ。 こうしてFoesumは4人から3人へと変わり、Wayniacはロングビーチのシーンの中で別の軌跡を描き始めた。


The Twinzとして刻んだ足跡

Foesumを離れた後のWayniacのキャリアは、ロングビーチG-Funkの歴史において無視できないほど大きな足跡を残している。

The TwinzはWarren Gのデビューアルバム『Regulate…G Funk Era』(1994年)でそのキャリアをスタートさせ、1995年にはWarren Gのレーベルを通じてDef JamからデビューアルバムThe『Conversation』をリリースした。

WayniacことDewayne Williamsは、Warren G、Snoop Dogg、Nate Doggといった後に伝説となる面々と幼少期から同じ学校に通い、スポーツを共にしてきた。Warren G本人は「DewyaneとDionと俺の間は、友達という感覚を超えている。7歳頃から今まで、ずっと24時間一緒にいた。まるで兄弟だ」と語っている。

WayniacとTrip Locc(本名Deon Williams)は、Foesumのクルーとレコーディングを行なっていた後にWarren Gと組み、『Regulate…G Funk Era』の複数のトラックにThe Twinzとして参加した。つまり、The TwinzのキャリアはFoesumとの共同作業の中から芽吹いたものでもあった。その事実が、「Playin’ Foe Keeps」という曲に特別な重みをもたらしている。


タイトルに込められた二重の意味

「Playin’ Foe Keeps」というタイトルは、一見すると「Playing for keeps(本気でやる・負けない)」という英語の慣用句の変形に見える。しかしここでの「Foe」は単なる言葉遊びではない。「Foe」はFoesumの「Foe」であり、「Foesum(仲間たち)のために本気でやり続ける」という宣言として読むことができる。

さらに深読みすれば、かつてFoesumを離れたWayniacがこの曲で再びFoesumと並ぶという構図そのものが、このタイトルの回答になっている。道は違えど、互いを裏切らず、本気でやり続けてきた者同士だけが作れる音楽——それがこの曲だ。


アルバムの中の位置と、グレイテストヒッツへの選出

『The FoeFathers』のトラックリストでは「Playin’ Foe Keeps」は7曲目に配置され、前後を「Things Ain’t What They Used To Be」と「Before Tha Lick」に挟まれている。アルバムの中盤、ちょうど聴き手が世界観に深く引き込まれる位置にこの曲は置かれている。

そしてこの曲の評価は時を経ても揺るがなかった。2004年にリリースされたFoesumのグレイテストヒッツ『The Greatest Hits – Vol. One』にも「Playin’ Foe Keeps」は収録されており、 バンドにとって自信を持って代表作と呼べる一曲として認定されていたことがわかる。グレイテストヒッツへの選出は、単なる人気投票ではなく、Foesumというグループの物語を語る上で欠かせないピースとしてこの曲が機能していることの証左だ。

さらに、この曲はSpotifyにおいて『The FoeFathers』だけでなく、『What Legends Are Made Of』『Greatest Hits, Vol. 3』『G Funk Shun』といった複数のコンピレーションにも収録されており、Foesumのカタログの中でも特に長く愛され続けている楽曲の一つであることが伝わってくる。


盟友たちが生み出すケミストリー

WayniacことDewayne Williamsは、ロングビーチのイーストサイドのPoluアパートメンツで育ち、Trip Locc(兄弟)が3年間海軍に従事していた間も、グレイハウンドのステーションで働きながらラップを続け、ロキシーなどのライブ会場でパフォーマンスを行っていた。その粘り強さと、音楽への揺るぎない情熱が、Foesumのメンバーたちと共鳴し続けた理由だろう。

Foesumの三人とWayniacが一つのトラックに揃ったとき生まれるケミストリーは、長年の信頼と共通の歴史から来るものだ。リハーサルも説明も必要ない。幼少期から同じ街で育ち、同じ夢を見て、それぞれの道で証明してきた者たちが、再びマイクの前に立つ——その瞬間の音楽には、作られた感動ではなく、本物の時間の重みが宿っている。


「Playin’ Foe Keeps feat. Wayniac」は、ロングビーチの街が育てた絆の結晶だ。Foesumを去り、The Twinzとして西海岸G-Funkの歴史に名を刻んだWayniacが、原点の仲間たちと再び音を鳴らす——その事実だけで、この曲はすでに特別な存在だ。タイトル通り「本気でやり続ける」ことを選んだ男たちの、誇り高き3分54秒である。

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