GADORO – ハダシノボウケン (Pro. Kiwy)

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地元愛と挑戦が織りなす珠玉のトラック

2024年6月5日にプレミア公開されたGADOROの楽曲「ハダシノボウケン」は、宮崎を拠点に挑戦し続ける姿勢を表現した作品となっています。この楽曲は2024年4月3日にリリースされたアルバム『TAKANABE』の3曲目に収録されており、タイトルからも分かるように、地元・高鍋町への深い愛情が込められた一枚です。

「ハダシノボウケン」というタイトルには、GADOROの音楽に対する姿勢が凝縮されています。本作はケツメイシのようなキャッチーでメロディアスなラップを披露しており、音程の取りやすい楽曲として評価されています。GADOROのハイスキルなラップスタイルはそのままに、より多くのリスナーに届く親しみやすさを持った楽曲に仕上がっています。

新潟から生まれた洗練されたサウンド

サウンドプロデュースはKiwyが手がけています。Kiwyは新潟県上越市出身の音楽プロデューサー兼ビートメイカーで、作曲家、アレンジャー、レコーディングエンジニアとしても活動しています。彼が手がけた「ヒプノシスマイク Buster Bros!!! VS MAD TRIGGER CREW / WAR WAR WAR」はオリコンランキング1位とiTunes総合ランキング1位を獲得するなど、シーンの第一線で活躍するアーティストと数々のヒット作を生み出してきました。

GADOROとKiwyのコラボレーションは「ハダシノボウケン」だけに留まりません。同じアルバム『TAKANABE』には、SIMONとZeebraをフィーチャリングした「大爆笑」もKiwyがプロデュースしています。両者の相性の良さは、複数の楽曲制作からも明らかです。

GADOROという存在 — 宮崎が育てたラッパー

GADOROは1990年11月29日生まれ、宮崎県児湯郡高鍋町出身のMCです。高校2年生の時に般若の影響でラップを始め、国内ナンバーワンMCを決める大会「KING OF KINGS」2016、2017で史上初の2連覇を達成しました。

彼の特徴は、その圧倒的なバトルスキルだけではありません。自らを「クズの社会不適合者」と蔑みつつも、失敗や後悔など己の弱さをあえて歌詞にぶつけることで、人生に迷ったり葛藤に苦しむ人々の共感を集めてきました。YouTubeで1000万回以上再生されているリード曲「クズ」をはじめ、彼のリアルで等身大の表現は、コアなヒップホップファンから一般のリスナーまで幅広い層に支持されています。

アルバム『TAKANABE』に込められた想い

『TAKANABE』はGADOROの7枚目のアルバムで、自身のレーベル「Four Mud Arrows」設立後2作目の作品となっています。アルバムタイトルが故郷の地名であることからも、地元への強い思いが伝わってきます。GADOROは深い地元愛が評価され、高鍋町の魅力を発信するふるさと応援大使にも就任しています。

アルバムには、Awich、SHINGO★西成、SIMON、Zeebra、775、ハシシといった豪華アーティストが客演として参加。サウンドプロデュースも、Kiwyをはじめ、NAOtheLAIZA、TRILL DYNASTY、CHIVA from BUZZER BEATS、PENTAXX.B.F、ikipedia、S-NA、DJ RYU-Gといった実力派プロデューサー陣が集結しています。

ミュージックビデオの演出と世界観

「ハダシノボウケン」のミュージックビデオは、NORIKIYO「IINDA.」なども手がけたShotaro Aiuraがディレクションを担当しました。映像には、GADOROが地元・宮崎の風景の中で自身のスタイルを貫く姿が映し出されています。都会の喧騒から離れ、地元に根を張りながらも全国、そして世界を見据えて活動する彼の姿勢が、映像を通じて力強く伝わってきます。

「裸足の冒険」が示すメッセージ

楽曲タイトルの「ハダシノボウケン(裸足の冒険)」には、何も持たずに、飾らずに、ただ自分自身のスタイルで挑戦し続けるというGADOROの姿勢が表れています。東京や大阪といった音楽シーンの中心地ではなく、宮崎県高鍋町という地方都市を拠点に活動することは、決して容易な道ではありません。

しかし、GADOROはその選択を「冒険」として捉え、前向きに歩み続けています。地元の友人や家族との日常、変わらないルーティン、そして宮崎の風景。それらすべてが彼の創作の源となり、リアルで力強いリリックを生み出しているのです。

韻の魅力とラップスキル

『TAKANABE』は韻の良さが際立つアルバムとして評価されており、平気で8文字の韻を踏むなど、語呂の気持ちよさに圧倒されます。「ハダシノボウケン」でも、GADOROの韻を踏むスキルが存分に発揮されています。「高鍋出身の ラッパーじゃねえ友人と 我が家で遊戯王 変わらねえルーティン」といった日常の風景を切り取ったリリックから、「名無しの権兵衛 裸足の冒険 田舎に残って 生身の挑戦」という力強いメッセージまで、言葉選びの巧みさが光ります。

現在も続く挑戦の物語

2025年3月6日、GADOROは目標と公言していた日本武道館の舞台に立ちました。孤独な四畳半から始まった物語は、まばゆい光と満員の観客に包まれ一つの集大成を迎えましたが、余韻に浸る間もなく「第二章」が幕を開けています。

「ハダシノボウケン」は、そんなGADOROの旅路を象徴する一曲です。都会の華やかさではなく、地元の温もりと等身大の生き方を大切にしながら、音楽という武器で全国のリスナーの心を掴んできた彼の姿勢。その挑戦は今も続いています。

まとめ

GADORO「ハダシノボウケン (Pro. Kiwy)」は、地方から全国へと挑戦し続けるラッパーの姿勢と、新潟の実力派プロデューサーKiwyの洗練されたサウンドが融合した名曲です。キャッチーでありながらスキルフル、親しみやすくも深いメッセージ性を持つこの楽曲は、GADOROの魅力が凝縮された一曲と言えるでしょう。

裸足で駆ける冒険は、まだまだ続いていきます。

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