GADORO – 大爆笑 feat. SIMON & Zeebra(Pro. Kiwy)

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はじめに

2024年4月にリリースされたGADOROのアルバム『TAKANABE』に収録されている「大爆笑 feat. SIMON & Zeebra」は、それぞれのアーティストが自身のヒップホップスタンスを表現した楽曲として注目を集めています。プロデュースを手がけたのはKiwyで、MVは尾方浩康が監督を務め、楽曲が持つ空気感とアーティストたちの感情がクールに表現された映像作品となっています。

この楽曲のタイトル「大爆笑」には、人生の苦難を乗り越えた先にある達成感と、困難を笑い飛ばす強さが込められています。印象的なリリックとして「派手に転んだ階段も 登り切れたら大爆笑」というフレーズがあり、多くのリスナーの心を掴んでいます。

参加アーティストの魅力

GADORO(ガドロ)── 宮崎から日本のトップへ

GADOROは1990年11月29日生まれ、宮崎県児湯郡高鍋町出身のMCです。高校2年生の時に般若の影響でラップを始め、その後数々のMCバトルで実績を積み上げてきました。

特に「KING OF KINGS」では2016年と2017年に史上初の2連覇を達成し、その名を広く知らしめました。バトルMCとしての評価だけでなく、2017年1月にリリースした1stアルバム『四畳半』は初登場ながらiTunes HIPHOPアルバムチャート1位、総合アルバムチャート4位を記録しています。

GADOROの楽曲の特徴は、とにかく韻を踏みまくるスタイルと心に突き刺さるリリックです。現在でも宮崎県に住みながら全国のライブに飛び回るほど、地元への愛情が強く、楽曲のリリックにもよく宮崎が登場します。彼の等身大の生き様を描いた歌詞は、多くの若者の共感を呼び、今やライブオファーが殺到する人気ラッパーとなっています。

SIMON ── ボリビアと日本のルーツを持つ実力派

SIMONは1982年5月27日、ボリビアでボリビア人の父と日本人の母のもとに生まれ、2歳から東京で育ったラッパーです。2006年のデビュー以来、幅広い客演仕事などで着実にキャリアを積んできました。

2010年にリリースした「Tequila, Gin Or Henny」は、世界中に音楽を発信するアメリカの大手ラジオ局HOT97で日本人として初めて放送されるという快挙を成し遂げています。2011年からはSTREET OFFICIAL / NEW WORLDへ移籍し、2ndアルバム『TWICE BORN』では「破壊と創造」をテーマに生まれ変わった自身の姿を提示しました。

メジャー・インディーズを問わず数多くのアーティストと客演で共演しており、ZeebraやDABO、加藤ミリヤなど、ジャンルを超えた幅広いコラボレーションで知られています。その洗練されたフロウとハイクオリティなリリックは、日本のヒップホップシーンで確固たる地位を築いています。

Zeebra(ジブラ)── 日本ヒップホップ界の父

Zeebraは1971年4月2日生まれ、本名は横井英之で、日本を代表するヒップホップMCです。1995年にデビューした伝説的ヒップホップグループ「KING GIDDRA」のフロントマンとして名を馳せ、日本語におけるラップを新たな次元へと引き上げた立役者として知られています。

17歳頃にニューヨークに渡り、本場のHIPHOPを学んだ経験を持ち、六本木や渋谷でDJとして活動を開始しました。1997年のソロデビューから常にトップの座に君臨し続け、その音楽性の高さや技術、スマートなスタイルと存在感により、男女を問わずリスナーの間でカリスマ的存在となっています。

「東京生まれHIPHOP育ち、悪そうな奴は大体友達」というフレーズは、ヒップホップを知らない層でも聞いたことがあるほど有名です。他のアーティストからの信頼やリスペクトも厚く、自身の作品に加え世代やジャンルの垣根を超えた数多くの客演を行っており、その作品数は100を超えています。

また、「フリースタイルダンジョン」のメインMCを務めるなど、若手ラッパーの育成やヒップホップ文化の普及にも力を注いでいます。日本のヒップホップシーンにおいて、まさに「HIPHOP界の父」と呼ばれるにふさわしいレジェンドです。

楽曲の魅力と制作背景

「大爆笑 feat. SIMON & Zeebra」は、どんな困難も笑い飛ばしてしまうような前向きなメッセージが印象的な楽曲です。Kiwyのプロデュースによる、エネルギッシュでありながらも洗練されたサウンドも魅力的で、2024年4月にリリースされたアルバム『TAKANABE』に収録された本作は、暑い夏を必死に働く人たちの応援歌となっています。

この楽曲では、三世代のラッパーがそれぞれの経験と価値観を持ち寄り、自分たちのヒップホップに対する姿勢を表現しています。宮崎から這い上がってきたGADORO、国際的なバックグラウンドを持つSIMON、そして日本のヒップホップシーンを築き上げてきたZeebra。この三者が一つの楽曲で共演することで、日本のヒップホップの深さと広がりが感じられる作品となっています。

アルバム『TAKANABE』について

GADOROの最新アルバム『TAKANABE』は2024年4月3日に自身のレーベル設立後2作目としてリリースされました。客演にはAwich、SHINGO★西成、SIMON、Zeebra、775、ハシシを招き、サウンド・プロデュースにはNAOtheLAIZA、TRILL DYNASTY、Kiwy、CHIVA from BUZZER BEATS、PENTAXX.B.F、ikipedia、S-NA、DJ RYU-Gが参加しています。

アルバムタイトルの「TAKANABE」は、GADOROの地元である宮崎県高鍋町から取られています。このことからも、彼の地元への深い愛情と誇りが伝わってきます。全12曲からなるこのアルバムは、GADOROのアーティストとしての成長と、自身のルーツへの敬意が詰まった作品となっています。

まとめ

「大爆笑 feat. SIMON & Zeebra (Pro. Kiwy)」は、三世代のラッパーが織りなす、日本のヒップホップの深みと多様性を感じさせる楽曲です。それぞれのアーティストが歩んできた道のりと、ヒップホップに対する姿勢が一つになることで、聴く者に勇気と希望を与える作品となっています。

2024年5月8日にはミュージックビデオも公開され、GADOROの音楽性とメッセージがビジュアルとしても表現されています。人生の困難を乗り越え、最後には大きく笑う──そんな力強いメッセージが込められたこの楽曲は、日々の生活で様々な壁に直面する私たちに、前を向いて進む勇気を与えてくれるはずです。

日本のヒップホップシーンの過去・現在・未来が交差するこの名曲を、ぜひ一度聴いてみてください。きっとあなたの心にも響くものがあるはずです。

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