Super Auto Showcase 2025初めての千葉、幕張メッセでのローライダーイベント体験記

CHICANO

Super Auto Showcase 2025への期待と旅立ち

2025年10月19日、この日は私にとって特別な一日となりました。幕張メッセで開催されるローライダーの祭典「Super Auto Showcase 2025」に参加するため、人生で初めて千葉県へと足を運ぶことになったのです。

ローライダーカルチャーに魅了されて以来、いつかこのような大規模なイベントに参加したいと思っていました。特に今回は、SNSで日頃からフォローしているmr.cachol氏がインスタグラムで会場に現れると投稿していたこともあり、もしかしたら直接お会いできるかもしれないという期待で胸が高鳴っていました。

神奈川県の自宅を出発し、電車を乗り継いで幕張メッセへ。道中、窓の外を眺めながら、これから見るであろうギラギラと輝くローライダーたちの姿を想像していました。片道2時間以上という長い道のりでしたが、期待で心が満たされていたため、時間はあっという間に過ぎていきました。

会場到着、そして圧倒的な熱気

幕張メッセに到着すると、想像以上の光景が広がっていました。既に会場は多くの来場者で溢れかえっており、駐車場には色とりどりのローライダーやカスタムカーが所狭しと並んでいます。人々の歓声、音楽、エンジン音が混ざり合い、会場全体が独特の熱気に包まれていました。

事前にmr.cachol氏のインスタグラムをチェックしていたので、会場のどこかにいらっしゃるはずだと思い、最初は探してみようかと考えました。しかし、会場に入ってその人の多さを目の当たりにすると、この人混みの中で一人の人物を探し出すのは現実的ではないと悟りました。まるで大海で一滴の水を探すような無謀な試みです。諦めて、まずは他の目的を果たすことにしました。

会場内を歩くと、目の前には圧巻のローライダーたちが並んでいます。クロームメッキで輝くボディ、緻密に施されたペイント、華やかなカスタムホイール。どの車も所有者の情熱と愛情が注ぎ込まれた芸術品でした。ギラギラと光り輝くアメ車の数々を横目に見ながら、私は最初の目的地へと向かいました。

ホーミーキッチンカーでの至福のひととき

まず向かったのは、知人が出店しているホーミーキッチンカーです。このキッチンカーは普段から利用しており、本格的なメキシカン料理が楽しめることで知られています。到着すると、予想通り既に長い列ができていました。イベントの盛り上がりを物語る光景です。

列に並びながら、最初はテキーラを一杯ずつ注文しようかと考えていました。メキシカン料理とテキーラの組み合わせは最高ですからね。しかし、列の進みの遅さと人の多さを見ているうちに、このペースでは人気の食べ物が売り切れてしまうのではないかという焦りが芽生えてきました。せっかく来たのに食べ損ねるわけにはいきません。

そこで、まだ午前11時でしたが、早めの昼食を取ることに決めました。メニューを見て選んだのは、久しぶりに食べるチミチャンガです。普段このキッチンカーではタコスを注文することが多いのですが、今日は特別な日。チーズがたっぷりと入った揚げブリトーのチミチャンガを選びました。

注文した料理が手元に届き、一口食べた瞬間、思わず「美味しい!」と声が出そうになりました。外はカリッと揚がっていて、中からはとろけるチーズと具材の旨味が溢れ出してきます。味付けが絶妙で、軽く感動を覚えるほどの美味しさでした。

ただ、私にはいつも食べ物にがっついてしまう悪い癖があります。目の前に美味しそうな料理があると、写真を撮ることも忘れて食べ始めてしまうのです。今回も例外ではなく、気づいた時には既に半分以上食べ終わっていました。SNS映えする写真を撮っておけばよかったと後悔しましたが、後の祭りです。 それでも、この美味しさは記憶にしっかりと刻まれました。

心に残る出会い-セブンさんとレッドウッドさん

ホーミーキッチンカーで心もお腹も満たされた後、会場内を巡りながら様々な人々との交流が始まりました。ローライダーイベントの魅力は、美しい車だけでなく、そこに集まる人々との出会いにもあります。

まず出会ったのは、ホーミーケイさんのホーミーであるセブンとレッドウッドのお二人でした。「ホーミー」とは、ローライダーカルチャーにおいて仲間や友人を意味する言葉です。お二人に写真撮影をお願いしたところ、快く応じていただきました。

会話を始めると、お二人は英語を話される方でした。幸い、近くに英語を話せる方がいらっしゃり、通訳をしていただきながらコミュニケーションを取ることができました。言葉の壁を越えた交流が始まったのです。

会話が進む中で、私の抱えている状況についても話すことになりました。躁鬱病という精神疾患を抱えていること、それによって普通のアルバイトさえまともに続けられないほど体調が不安定であること。正直に打ち明けるのは勇気が必要でしたが、彼らは真剣に耳を傾けてくれました。

そして「夢はあるのか」と尋ねられました。最初は咄嗟に「夢はない」と答えてしまいました。日々の生活で精一杯で、夢を語る余裕もないと思っていたからです。しかし、少し間を置いて考えてみると、心の奥底に眠っていた本当の夢が蘇ってきました。

「LAに行きたい」

ロサンゼルスはローライダーカルチャーの聖地です。そこで本場のカルチャーを肌で感じてみたい。その夢を口にすると、彼らは「いつ来るのか」と聞いてきました。

正直に答えるしかありませんでした。体調が悪く、普通の仕事さえできない状態で、恥ずかしい話ですが経済的にも厳しい状況にあること。飛行機代さえ用意できないほど貧乏で、今すぐには実現できないこと。言葉にするのは辛かったですが、嘘をつくわけにはいきませんでした。

すると、私よりも背の低い方のホーミー、セブンさんが力強く言ってくれました。

「頑張って稼げ!」

シンプルですが、心に響く言葉でした。そして、背の高い方のホーミー、レッドウッドさんからも励ましの言葉をいただきました。

「何があっても夢は諦めるな。ヘイトされても前に進め」

この言葉は、言葉の壁を気にせず、まっすぐに私の心に届きました。初対面の、しかも言語も文化も異なる人たちが、こんなにも真剣に励ましてくれる。その温かさに胸が熱くなりました。彼らの言葉は、疲れ切っていた私の心に新しい火を灯してくれたのです。

このやり取りだけでも、はるばる幕張まで来た甲斐がありました。これから少しずつでも頑張ろう、いつかLAに行けるように努力しようという気力が湧いてきました。人との出会いが人生を変える瞬間を、私は確かに体験したのです。

憧れの人との偶然の遭遇

セブンさんとレッドウッドさんとの感動的な出会いの後、会場を歩いていると、信じられない光景を目にしました。探しても無理だろうと諦めていたmr.cachol氏が、偶然にもケイさんと話している姿を発見したのです。

心臓が高鳴りました。SNSで日頃から拝見している憧れの人が、目の前にいる。このチャンスを逃すわけにはいきません。軽く挨拶をして少し話そうと近づきましたが、ちょうど他の方との会話中だったようで、タイミングが合いませんでした。長々と時間を取らせるのも申し訳ないと思い、写真だけ撮っていただくことにしました。

ただ一つ、心残りだったことがあります。mr.cachol氏がいつもYouTube動画で言っている「オラレー、ワッチャー」という挨拶を、直接言えなかったことです。緊張と遠慮で、その一言が出てきませんでした。次にお会いする機会があれば、必ず言おうと心に決めました。それでも、実際にお会いできただけで夢のような時間でした。

予想外の再会たち

会場を歩き続けていると、さらに驚きの出会いがありました。前回記事にしたE.N.Vのイベントの主催者であるミキスタイルさんに、ばったりと遭遇したのです。まさかこの会場でお会いできるとは思っていなかったので、これもまた嬉しい驚きでした。

少しだけ会話を交わしました。そして一緒に写真を撮っていただくこともできました。様々なイベントで活躍されている方との再会は、ローライダーカルチャーのコミュニティの温かさを改めて感じさせてくれました。

そして、この日最後の素敵な出会いは、彫り師の玄武さんでした。タトゥーアーティストとして活躍されている玄武さんにも写真を撮っていただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいでした。さらに嬉しかったのは、玄武さんが今年のこどもの日に会ったことを覚えていてくださったことです。

「あの時会いましたよね」と声をかけてくださり、数ヶ月前の短い出会いを覚えていてくださったことに感動しました。一期一会という言葉がありますが、こうして再会できることの喜びを噛み締めました。

この日得た宝物

幕張メッセでのSuper Auto Showcase 2025は、私にとって忘れられない一日となりました。初めて訪れた千葉、初めて参加した大規模なローライダーイベント。そこで見た美しいローライダーたち、味わった絶品のメキシカン料理、そして何より、心温まる人々との出会い。

特にセブンとレッドウッドからいただいた励ましの言葉は、これから生きていく上での大きな支えになるでしょう。躁鬱病という病気と闘いながら、経済的にも厳しい状況にある私ですが、彼らの言葉を胸に、少しずつでも前に進んでいこうと思います。

夢を諦めない。ヘイトされても前に進む。頑張って稼ぐ。

シンプルですが力強いこれらの言葉を、私は忘れません。いつか必ずロサンゼルスに行き、本場のローライダーカルチャーを体験する。その日を目指して、今日からまた頑張ります。

会場で出会った全ての方々に感謝します。mr.cachol氏、ミキスタイルさん、玄武さん、そしてセブンさん、レッドウッドさん。皆さんとの出会いが、私の人生に新しい光を与えてくれました。

また次も、このSuper Auto Showcaseに参加できることを願って。その時までに、少しでも成長した自分でいられるように、一歩ずつ前進していきます。

ありがとうございました。また会える日まで。

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