SCARS「MY BLOCK」- 川崎サウスサイドを刻んだ名曲

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はじめに

SCARS「MY BLOCK」は、グループが困難な時期に制作した2ndアルバム『NEXT EPISODE』に収録された、川崎サウスサイドへの愛と誇りを込めた楽曲です。この曲は「Come Back」「Pain Time」に続くアルバム4曲目として配置され、リスナーから高い評価を受けている名曲の一つです。

アルバム『NEXT EPISODE』における位置づけ

「MY BLOCK」は2008年12月31日にリリースされた『NEXT EPISODE』の4曲目に収録されています。このアルバムは、BESの不参加、A-THUGの服役といった困難な状況下で制作されましたが、「MY BLOCK」はその中でも特に評価の高い楽曲として知られています。

トラックリストにおける位置は以下の通りです:

  1. Indro
  2. Come back
  3. Pain time
  4. My block
  5. 何が残る

冒頭のイントロから始まり、「Come Back」「Pain Time」と続いた流れを受けて登場する「MY BLOCK」は、アルバムの序盤を締めくくる重要な役割を果たしています。

楽曲の制作背景

「MY BLOCK」のトラックメイキングを担当したのは、JAKK POTです。彼の手がけたビートは、SCARSらしいハードコアでストリート感溢れるサウンドに仕上がっています。

この曲では、特にSTICKYとA-THUGが中心となってラップを展開。彼らの生まれ育った「ブロック(地元)」への思いが、リアルな言葉で表現されています。

リスナーからの評価

「MY BLOCK」は『NEXT EPISODE』の中でも特に人気の高い楽曲です。リスナーからは以下のような評価が寄せられています:

購入してから何度も聴いているという声や、鳥肌が立ったという熱い支持が寄せられており、「Come Back」「Pain Time」「Give it to me」「One Way Love」と並んでアルバムのハイライトとして評価されています。

また、海外のリスナーからも「Come Back」「One Way Love」と共に良い楽曲として挙げられており、国内外で高く評価されていることが分かります。

STICKYの存在感

「MY BLOCK」を語る上で欠かせないのが、STICKYの存在です。『NEXT EPISODE』では前作以上にSTICKYに魅せられたというファンが多く、彼の渋いラップスタイルが光る楽曲の一つとなっています。

2013年にリリースされたSTICKYのミックスCD「RE: BIRTH」にも「MY BLOCK」が収録されており、彼のキャリアにおいても重要な楽曲として位置づけられています。

残念ながらSTICKYは2022年に逝去しましたが、彼の残した「MY BLOCK」での渋いラップは今も多くのファンの心に残り続けています。

「MY BLOCK」というテーマの意味

「MY BLOCK」というタイトルには、自分たちの育った地元、すなわち川崎サウスサイドへの誇りと愛着が込められています。ヒップホップカルチャーにおいて「BLOCK(ブロック)」とは単なる街区以上の意味を持ち、アイデンティティそのものを表す重要な概念です。

SCARSにとって川崎サウスサイドは、彼らを形成した場所であり、音楽の原点です。この曲では、そんな地元への複雑な感情——愛情、誇り、そして時には葛藤——がリアルに表現されています。

アルバム全体の中での役割

『NEXT EPISODE』は前作『THE ALBUM』とは異なる魅力を持つアルバムです。前作よりもトラックがカッコよくなっており、STICKYは相変わらずの渋さを見せ、SEEDAは多彩なフロウやポジティブなリリックでバッチリ役目を果たし、MANNYも久々の参加ながらタイトに決めているという評価を得ています。

「MY BLOCK」は、そんなアルバムの序盤を飾る重要な楽曲として、SCARSというグループのアイデンティティを強く打ち出しています。

川崎ヒップホップシーンへの影響

SCARSの「MY BLOCK」は、川崎のヒップホップシーンにおいて特別な意味を持つ楽曲です。後の世代のアーティストたちにとっても、地元への愛と誇りを表現する際の重要な参照点となっています。

STICKYを追悼するミックステープ「R.I.P. Sticky – Legend Of Kawasaki」にも「4 My block – A-Thug & Sticky」として収録されており、川崎レジェンドとしてのSTICKYとA-THUGの功績を讃える楽曲としても位置づけられています。

楽曲の特徴

「MY BLOCK」の長さは4分03秒。JAKK POTが手がけたビートは、ハードコアでストリート感溢れるサウンドでありながら、メロディアスな要素も含んでおり、ラップがより際立つ構成になっています。

STICKYとA-THUGを中心としたメンバーのラップは、それぞれが異なるフロウとスタイルを持ちながらも、一つの楽曲として見事に調和しています。この化学反応こそが、SCARSというグループの真骨頂です。

『NEXT EPISODE』というアルバムの意義

『NEXT EPISODE』は前作とは違ったカッコよさを見せることに成功した作品として評価されています。完全なSCARSの作品ではないという声もありますが、久々に聴くと味わい深い作品だという再評価も多く見られます。

「MY BLOCK」は、そんなアルバムの中でも聴けば聴くほど引き込まれる楽曲の一つであり、SCARSの多面性を示す重要な一曲となっています。

Apple Musicでのトップソング

現在、SCARSのApple Musicページでは「STARSCAR」に続いて「MY BLOCK」が2番目のトップソングとして紹介されており、ストリーミング時代においても高い人気を保っています。

これは、2008年にリリースされた楽曲が、15年以上経った今でもリスナーに支持され続けていることを示しています。

2019年のアナログリリース

2019年11月6日、『NEXT EPISODE』は『THE ALBUM』と共に完全限定プレスの2枚組仕様で初のアナログ化が実現しました。アナログ盤には150×150mmのジャケットデザインステッカーが特典として付属し、コレクターズアイテムとしても価値のある商品となりました。

この再発により、「MY BLOCK」をはじめとするアルバムの楽曲が、新たなフォーマットでファンの元に届けられました。

まとめ

「MY BLOCK」は、SCARSが困難な時期に制作した『NEXT EPISODE』の中でも特に評価の高い楽曲です。JAKK POTのハードコアなビート、STICKYとA-THUGを中心としたメンバーの渋いラップ、そして川崎サウスサイドへの誇りと愛情が込められたこの曲は、日本のヒップホップ史において重要な一曲として刻まれています。

地元への愛、仲間との絆、そしてストリートで生きる姿勢。これらすべてが凝縮された「MY BLOCK」は、SCARSというグループのアイデンティティそのものです。

2008年にリリースされてから15年以上経った今でも、この曲は多くのリスナーに愛され続けています。それは、「MY BLOCK」が単なる曲ではなく、川崎サウスサイドの魂そのものだからです。

SCARSの音楽は、これからも多くの人々に勇気と誇りを与え続けるでしょう。そして「MY BLOCK」は、その象徴的な楽曲として永遠に語り継がれていくはずです。

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