楽曲基本情報
楽曲タイトル: AREA AREA
アーティスト: OZROSAURUS(オジロザウルス)
シングルリリース日: 2000年11月15日
アルバム収録: 『ROLLIN’045』(2001年4月25日リリース)
プロデューサー: DJ PMX
収録時間: 4分52秒
アーティスト詳細プロフィール
OZROSAURUS(オジロザウルス)について
OZROSAURUS(オジロザウルス)は、日本のヒップホップバンド。1996年にヒップホップユニットとして結成。メンバーの加入、脱退を経て2015年に6人組のバンド編成となるグループです。1996年にMCのMACCHOと、DJのDJ TOMOの2人で横浜市にて結成されました。
MACCHO(マッチョ)のプロフィール
MACCHOは、1978年に神奈川県横浜市で生まれました。中学生の頃、通っていた服屋のオーナーにラップを勧められ、ラッパーとしての道を歩み始めます。その服屋のオーナーはなんと、横浜の伝説的ヒップホップユニットDS455のKayzabroでありました。
興味深いことに、Kayzabroは、当時のMACCHOがレイダースのキャップにウィンドブレーカーという、いかにもギャングスタラップが好きそうな出で立ちであったので、ラップをやってみたらどうかと勧めたそうです。その後、MACCHOのラップはめきめきと上達し、一時はDS455のメンバーに加入するまでとなりましたという経歴を持っています。
横浜045スタイルの確立
元々マッチョが所属していたクルーDS455らと共に『横浜045スタイル』と称してアメリカ西海岸ヒップホップを日本で定着させました。このスタイルは、MCのマッチョが当時何度も口にしていた『横浜045スタイル』(045は横浜市の市外局番)という言葉もファンの間では完全に定着。先のDS455と共に「横浜といえばオジロザウルス」とまで呼ばれる横浜の2代巨頭となり、知名度も一気に全国に広がるという大きな影響をシーンに与えました。
楽曲の歴史的意義
日本語ラップクラシックとしての地位
「AREA AREA」はオジロザウルス(OZROSAURUS)を有名にした曲とも言える、オジロザウルス(OZROSAURUS)の代表曲の一つです。OZROSAURUSといったら、まずのこの曲を思い出す人が多いのではないでしょうかとされており、ローテンポでアンダーグラウンド感のある曲は、20年前当時の東京・渋谷近郊一強だった日本語ラップに横浜の強さ・カッコよさを見せつけた曲として評価されています。
MCバトルシーンでの現代的リバイバル
2000年代初頭にリリースされたこのクラシックは近年、ブームを超えた盛り上がりを見せるMCバトルのバトル・ビートとしても繰り返し使用され、リバイバルしている楽曲となっており、現代の日本語ラップシーンでも重要な存在感を示しています。
プロダクション詳細
DJ PMXとのコラボレーション
DJ PMX(ディージェイ・ピーエムエックス)は、日本にWESTCOAST HIPHOPを広めた第一人者であり、Japanese HipHopのプロデューサー、DJとして知られており、日本のヒップホップが産声を上げた1980年後半から数多くのアーティストをプロデュース。アメリカ西海岸のヒップホップの影響を受け、JAPANESE WEST COAST HIPHOPのスタイルを構築してきました。
横浜のシーンの先駆者DJ PMXと組んだ”AREA AREA”は、この両者の音楽的ヴィジョンが完璧に融合した作品として位置づけられています。
制作背景とウエストコーストサウンド
west coast g-funk beatで、MACCHOが自身の始まりとビジョンについて語る楽曲として制作された「AREA AREA」は、92年ぐらいにドクター・ドレーが『The Chronic』を出して。最初は「これ、どんなんだろうな?」とか思っていたんだけど、だんだんはまっていくっていうか。そこから完全にウエストコースト寄りな作品をいっぱい作ったという、DJ PMXのウエストコースト・ヒップホップへの傾倒が反映された作品でもあります。
楽曲の音楽的特徴
サウンド・プロダクション
楽曲はMACCHOもかつて名を連ねたDS455のDJ PMXがプロデュースした名曲”Area Area”など、それまでの国産モノには無かった煌びやかで重厚なサウンドにキレのあるラップを乗せた作品として、当時の日本語ラップシーンに新しい風を吹き込みました。
リリック的特徴
OZROSAURUSの楽曲には耳に残るリリックとトラックが非常に多いです。僕が最初に聴いた曲『AREA AREA』で例えるならサビが『ここからそこ エリアからエリア そこからここ エリアからエリア 内から外 エリアからエリア 外から内 エリアからエリア』ってリリックなんですけど、聴き終わった後頭の中は『エリア』って単語に支配される。そんな印象的なフックが特徴的です。
アルバム『ROLLIN’045』での位置づけ
2001年 – 初のフルアルバムとなる『ROLLIN’045』を発表。売上枚数8万枚を超えるロングセラーを記録している。この歴史的アルバムにおいて、「AREA AREA」は重要な楽曲の一つとして収録されています。
今となっては日本のHIP HOPの歴史上、欠く事のできなくなった重要な1枚。この頃はまだまだHIP HOPは浸透しておらず、試行錯誤の時代。そんな中でも90年代からシーンの成功を遂げるべく日々精進してきた、BUDDHA,キングギドラ,ペイジャー,ラッパ我リヤ,そしてOZROSAURUSなど、彼らの残してきた作品は一生語り継がれていかなければならないという評価を受けるアルバムの看板曲の一つです。
パフォーマンスとライブでの魅力
MACCHOのライブパフォーマンス
MACCHOさんのLIVEは数回くらいしか観た事ないんですけど、目と耳に焼き付いてますね。ほんと音源以上です。声量凄いし、早口でも一語一句全部聞き取れます。パフォーマンスが圧倒的すぎて若かりし僕はLIVE帰り興奮しまくってました。という証言があり、楽曲の魅力がライブでも十分に発揮されていることが分かります。
現代への影響と継承
20年越しの進化
オジロザウルス自らが設けたこの壁はあまりにも高く、「AREA AREA」に匹敵する作品は二度と生みだせないのではないかという決めつけが心のどこかにあったけど・・・、20年越しのマッチョのラップの進化がついに「AREA AREA」という高い頂(いただき)に到達したと言える。2023年の新曲「Legend」でも、DJ PMXとの再タッグが実現しており、「AREA AREA」の影響力の継続性を示しています。
シーンへの永続的貢献
オジロザウルスの名が一気に知れ渡ったのは2001年に発売された1枚目のフルアルバム『ROLLIN’045』がシーンで大ブームになった事がキッカケでしょう。このアルバムは現在でも日本のHIPHOPクラシックの1枚として語り継がれる名盤です。評価の通り、「AREA AREA」は日本語ラップ史における不朽の名曲として、今後も長く愛され続けることが確実な楽曲です。
この楽曲は単なるヒット曲を超え、横浜のヒップホップシーンの確立、ウエストコーストサウンドの日本への導入、そして現代のMCバトルシーンでの再評価まで、日本語ラップの歴史において多層的な意味を持つ重要な作品として位置づけられています。
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