G-k.i.d – Oneway Drive feat.Kohjiya | KAZUNのHIPHOP発信基地

楽曲基本情報

楽曲タイトル： Oneway Drive (feat. Kohjiya)
アーティスト： G-k.i.d featuring Kohjiya
リリース日： 2025年3月5日 TuneCore Japan Apple Music
収録時間： 3分02秒 Oneway Drive (feat. Kohjiya) by G-k.i.d | TuneCore Japan
チャート成績： iTunes Store Hip-Hop/Rap TOP SONGSで日本4位（3月6日）、Spotify Daily Viral Songsで日本32位（3月24日） Oneway Drive (feat. Kohjiya) by G-k.i.d | TuneCore Japan

アーティスト詳細プロフィール

G-k.i.d（ジーキッド）の軌跡

G-k.i.dは元BAD HOPメンバーで、神奈川県川崎市出身のラッパーとして、日本のヒップホップシーンで重要な位置を占めてきました。人気HIPHOPクルー「BAD HOP」の一員として活躍し、メロウなフロウを得意とするラッパーとして「Kawasaki Drift」や「Day N Night」「We Rich」といった楽曲で素敵なラップを披露してきました。

興味深いことに、一見強面だが繊細な心を持ち、湘南乃風の「カラス」をカラオケで歌うと必ず泣いてしまうという意外な一面も持っています。また、ヤクザの家庭に育ち、他のメンバーとは違い裕福な幼少期を過ごしていたが、次第に家が貧しくなり、少年院への入所経験もあるという複雑な生い立ちを持っています。

BAD HOPの歴史と影響

川崎市出身のメンバーで結成された8人のMCによるヒップホップグループで、2024年2月19日に東京ドームでラストライブ『BAD HOP THE FINAL at TOKYO DOME』を開催し、解散。10年の歴史に幕を下ろしたBAD HOPは、日本のヒップホップシーンに大きな足跡を残しました。

T-PablowとYZERRを中心に、Tiji Jojo、Benjazzy、Yellow Pato、G-K.I.D、Vingo、Barkの8人で活動し、2018年に日本のヒップホップアーティストとして史上最年少で日本武道館ライブを実現するなど、数々の偉業を成し遂げました。

グループはレコード会社や音楽事務所には所属せず、2019年現在、メンバーに加えスタッフが7名おり、楽曲制作からライブでの映像や照明、グッズ制作、DVDの販売などをセルフプロデュースで行っているという独立精神を貫いていました。

Kohjiya（コージヤ）の躍進

長崎県長崎市麹屋町出身の22歳（2002年生まれ）のラッパーであるKohjiyaは、2024年を「自分の年」にすると宣言し、その通りに大ブレイクを果たした新星です。

アーティスト名は出身地である長崎県長崎市麹屋町（こうじやまち）に由来し、自分の名前が上がることで、地元の名前をあげたいという意志が込められています。長崎駅からほど近く、江戸時代に味噌や醤油を作るさいに使用する麹（こうじ）職人が多く集まってきたことにより名づけられた歴史のある町から名前を取ったことからも、故郷への愛情の深さが伺えます。

小学生の頃から主にUSのヒップホップを聴き始め、12歳からラップとトラックメイクを始めるという早熟な少年で、Fla$hBackS（JJJ、KID FRESINO、Febb）の音楽性や、「メンバー全員がラップもトラックメイクも両方出来る」というスタイルに憧れていたという音楽的ルーツを持っています。

音楽的特徴とスタイル

Kohjiyaの音楽的魅力は多岐にわたります。クリーミーな高音ボイスから繰り出されるメロディアスなフロウが心地の良いラッパーで、時期を経るごとにどんどん進化してきたスキルフルなラップは、ビートに対してくずし気味に乗せるスタイルも特徴的です。

時より見せるオフビート使いにも、抜群のセンスが光り、オートチューン使いも非常に上手く、いい感じにかかるような声の出し方を体得している技術的な巧みさも注目ポイントです。

歌詞面でも独自性を追求しており、みんなが使ってないような言葉を入れることを意識し、皆が共感できるトピックも、普通のラッパーとは違うユニークな言い回しをするのが特徴的で、「止まらねえ」とか「増やす口座の0」みたいなありきたりな言葉は意識的に避けているというこだわりを持っています。

楽曲の深層分析

テーマ性と象徴的意味

「Oneway Drive」は、行き先を決めずにドライブすることで自由を象徴し、未来への進歩を表現した楽曲として制作されました。この楽曲は単なるドライブソングではなく、過去を乗り越え、新たなステージに向かって加速する感覚を描いた音楽的な旅を探求する深いメッセージ性を持っています。

「NEWDAYから続く、新たなストーリー。まっすぐ突き進むその先に、何が待つのか。迷いなく走るその瞬間が、未来を変えていく」というコンセプトは、両アーティストのキャリア的転換点を反映したものでもあります。

歌詞の詳細分析

楽曲の歌詞からは、具体的な情景と感情の動きが読み取れます。「ハンドルを片手に君を乗せ走るHighway / ハイビーム飛ばして暗い路を照らしてる / 行き先も決めないであの曲を流して / 小さな手握って振り返らずに行くOneway」というフックは、物理的なドライブの描写でありながら、人生の旅路への比喩としても機能しています。

G-k.i.dのヴァースでは「眠たい目擦るBaby / 聴き古されたPlaylist / 心映すようにRainy / 不安と期待が重なってく0時」と、夜のドライブの情景を繊細に描写し、「型落ちシボレーからAMG / 振り切って向かう次のStage」では、成功への道のりを車のグレードアップに重ねて表現しています。

一方、Kohjiyaのヴァースでは「でかい悩みは一つもねえ / いやtaxと少しの金」「前の俺はnavy, navy blue / 気にすんなもう平気平気」と、より現実的で等身大の心境を歌い、「俺はデカく動く音楽家 / Diamonds, 袖にはAMIRI」では自身の成長と成功への意識を表現しています。

制作背景と技術面

プロダクション詳細

楽曲はJIGGによってミックスされていることが確認されています。JIGGは音楽プロデューサー・ミックスエンジニアとして東京を拠点に活動しており、この楽曲の洗練されたサウンドに貢献しています。

コラボレーションの化学反応

Kohjiyaとのコラボレーションが前向きなエネルギーと共に進む感覚を強化し、興奮と楽観主義の雰囲気を作り出している点が、この楽曲の大きな魅力の一つです。G-k.i.dの安定したメロウなフロウとKohjiyaのメロディアスで技術的なラップが絶妙にバランスを取り合っています。

業界への影響と評価

チャート成績の意義

iTunes Store Hip-Hop/Rap TOP SONGSで日本4位（3月6日）、Spotify Daily Viral Songsで日本32位（3月24日）という成績は、両アーティストの現在の人気と影響力を如実に示しています。特に、BAD HOP解散後のG-k.i.dのソロ活動における重要な成功事例となっています。

シーンでの位置づけ

この楽曲は、2023年の「RAPSTAR 2024」で優勝し、2024年に大きく飛躍したKohjiyaと、2024年2月に解散した伝説的グループBAD HOPの元メンバーG-k.i.dという、異なる世代とバックグラウンドを持つアーティストのコラボレーションとして注目されています。