はじめに
2025年4月18日、大阪・関西万博という世界的注目を集める舞台で「いじめ撲滅/No Bully Movement EXPO」が開催されました。この記事では、いじめ撲滅を目指す音楽活動「No Bully Movement」の軌跡と、関西万博での感動的なステージについてお伝えします。
No Bully Movementの誕生と発展
誕生の瞬間 – チャリティトークセッションから始まった革命
2023年4月15日、神奈川県の片瀬海岸某所において「井上ケイ×ZEEBRAのチャリティトークセッション」が開催されました。日本のヒップホップシーンを代表するアーティストのZEEBRAとHomiekeiことが井上ケイ集まり、社会問題としてのいじめについて真剣に語り合う中で「いじめ撲滅/No Bully Movement」が誕生しました。単なる議論に留まらず、音楽の力でいじめ問題に取り組むというビジョンがこの日に型として作られました。
「No bully」MV公開 – 12人のアーティストが紡ぐメッセージ
活動開始から約1年後の2024年5月5日、記念すべき子どもの日に「No bully」のミュージックビデオがYouTubeで公開されました。DJ WATARAIが手がけた重厚なビートに乗せて、12人のアーティストがリレー形式でメッセージを届けるという斬新な形式を採用。いじめの被害者、加害者、そして周囲の傍観者それぞれに向けた力強い言葉が詰め込まれています。
チャリティーコンサート – 音楽で伝える思い
2024年8月18日、茅ヶ崎市民文化会館にて「No Bully「いじめ撲滅マイクリレー」チャリティーコンサート2024」が開催されました。満員の観客の前で、参加アーティストたちが熱いパフォーマンスを繰り広げました。コンサートの収益は、いじめ問題に取り組む団体への寄付や、いじめ防止教育プログラムの開発に充てられました。
大阪・関西万博での歴史的ステージ
世界へ向けたメッセージ
そして2025年4月18日、No Bully Movementは誕生から約2年後、世界が注目する大阪・関西万博という最高の舞台でその集大成となるステージを実現させました。「いじめ撲滅/No Bully Movement EXPO」と銘打たれたこのステージでは、音楽パフォーマンスとトークセッションが融合した形で行われました。
国内外から観客が集まる中、日本のヒップホップカルチャーを代表するアーティストたちが、日本社会におけるいじめ問題とその解決に向けた取り組みを世界に向けて発信しました。この日のパフォーマンスは、単に日本国内の問題提起に留まらず、世界各国で起きているいじめや差別の問題に対する連帯のメッセージとしても受け止められましたと思います。
手話による表現 – すべての人に届けるメッセージ
EXPOステージの特筆すべき点として、手話表現の取り入れが挙げられます。No Bully Movementでは、活動当初から聴覚障害者にもメッセージを届けるために手話を重要な要素として位置づけてきました。音楽や言葉だけでなく、視覚的な手話表現を通じて、より多くの人々にいじめ撲滅のメッセージが伝わるよう工夫されています。
「誰一人取り残さない」というインクルーシブな姿勢は、このプロジェクトの重要な特徴の一つです。手話を取り入れることで、言語や聴覚の壁を超えて、いじめ撲滅のメッセージをより幅広い層に届けることに成功しています。
「No bully(マイクリレー)」が持つ社会的意義
ヒップホップカルチャーの新たな挑戦
「No bully」プロジェクトは、日本のヒップホップシーンにおいても画期的な取り組みです。かつて「反体制」「反権力」のイメージが強かったヒップホップが、社会問題の解決に向けて積極的に声を上げるという姿勢は、このカルチャーの原点回帰の可能性を示すものとなりました。
特に、子どもたちから支持される人気ラッパーたちが「いじめはダサい」と明確に発言することは、若年層にとって強い影響力を持ちます。彼らが憧れるアーティストが発する言葉は、学校の授業や親からの説教よりも、時に強く心に届くものです。
「かっこ悪い」という視点からの問題提起
いじめ問題に対して、「道徳的に悪い」「犯罪である」といった従来の切り口ではなく、「ダサい」「かっこ悪い」という若者の価値観に沿った言葉で訴えかける手法は、新鮮で効果的なアプローチとして注目されています。
このプロジェクトは、いじめを「クールではない行為」として位置づけることで、特に中高生の間での価値観の変革を促しています。「いじめる側がダサい」という認識が広まることで、いじめの抑止力になることが期待されています。
他のアーティストたちもそれぞれの立場から、熱いメッセージを発信しています。
今後の展望
関西万博での成功を受けて、No Bully Movementはさらなる展開を計画していると思います。教育現場での「No Bully」教材の活用など、様々な方向への発展が期待されています。
また、このムーブメントは単なる一過性のプロジェクトではなく、継続的な社会活動として根付かせることを目指しています。音楽、手話など多様な表現方法を通じて、いじめのない社会の実現に向けた取り組みは今後も続いていきます。
動画制作クレジット
撮影:水嶋製作所、HibikiFilm/Sarah 編集:HibikiFilm/Sarah ※動画の前半は権利上の都合により一部音声をカットされています
視聴・参加方法
この活動に共感された方は、YouTubeでMV「No bully」を視聴し、SNSでシェアすることで運動に参加できます。また、公式サイトからは関連イベントの情報などの情報も入手できます。
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